【一首一句 その二十一】花ぞ昔の香ににおひける
【本日の一首】
人はいさ心もしらずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける(古今集、春歌上、42、紀貫之)
(鑑賞)
人間というものはわからないものです。それ対してこの故郷には昔の変わらない桜の花の匂いが立ち込めているものだなあ。
移ろいゆくのは人間と花も同じ。
だけど人間がずっとずっとずっと変わっていくのに対して、花は一度変わっていっても回帰していくありさまを詠んでいる。
古今集の撰者として名高い百人一首にも収められた一首です。
【本日の一句】
花の香や振り向く君と覚ゆれば
花の香りがして、もしや君かもしれないという感覚があったので振り向いてしまった、という趣旨の一句です。全然上手くできなかった。おそまつ。
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