【一首一句 その二十三】空に桜

【本日の一首】
桜花散りぬる風のなごりには水なき空に波ぞ立ちける(古今集、春歌下、89、紀貫之)

(鑑賞)
桜花が散ってしまった風のなごりとしては、水のない空に波が立っているのだ(高田祐彦訳注)。
空をキャンバスに見立てて、桜花が青い空を白く染める。
その風の余韻が空に残っている。
散っていっても、桜の存在は消えたりはしない、そんな歌でしょうか。
なんとなく天橋立を思い出しますね。

【本日の一句】
風立ちて映えたる桜の青き空

なるべく本歌の世界観に近づけようとしましたが、あまり上手く行きませんでした。
5・7・5に込められる情景はやっぱり限られているなあと。
おそまつ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?