【一首一句 その二十六】わが衣手

【本日の一首】
君がため春の野に出でて若菜摘むわが衣手に雪は降りつつ(古今集、春歌、21、光孝天皇)

(鑑賞)
百人一首の15番にも入っている、春を代表する叙景詩です。
春の野に出て若菜を摘む姿が描かれて、そこで3句切れで着物に雪が降っている様子が描かれる。
君というハートマークのピンク、春の野の緑や空の色、衣の色、雪の白と、色彩表現が豊かな歌です。
五七五で主題を詠み、そこに補足情報を入れるというのが形式的な見方。
下の七七でぼんやりと様々な読みを可能にしている、シンプルながらも味わい深い歌ですね。

【本日の一句】
若菜摘むわが衣手や風ぞ吹く

今回は兼題の言葉をできるだけ使って一句作ってみました。
季語がたくさん入っていると、割とそれも難しい。
花鳥諷詠で詠もうとするとかなりいろんな制約があり、でも鍛えられますね。
もうちょいいい句が読めるよう精進します、おそまつ。

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