【一首一句 その二十二】うつろふ色
【本日の一首】
春霞たなびく山の桜花うつろはむとや色かはりゆく(古今、春歌下、69、よみ人知らず)
(鑑賞)
うつろふとは、散ることも含めて衰えていくこと、霧が立ち込めて十分に桜の美しさを味わえないでいるのに、桜が早くも散る準備を始めたことへの嘆き(高田祐彦訳注より)。
私はうつろふというのは衰えるだけではなくて、人の心がある色から別の色へと移っていって、とにかく以前の自分と変わることだと思っている。
こうだと思っていたものがいつの間にか変わってしまっている。
絶対的なものも美しさも永遠ではない。
ましてや春霞のせいで常にそれが見えているとは限らず、そばにあっても見えなくなるもの。
特にそれがその時にしか見れないにも関わらず。
【本日の一句】
山桜色変はりゆくこの刹那
桜の色が変わってしまうのは一瞬だ。
でもこの刹那を毎年繰り返すのが四季というもの。
そこまでは織り込めなかったけれど、、。
おそまつ。
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