【一首一句 その十一】ももしきの暇

【本日の一首】
ももしきの大宮人は暇あれや梅をかざしてここに集へる
(万葉集、1883、作者未詳)

(鑑賞)
「大宮人たちは暇があるからか、梅をかざしてここに集まっている」くらいの、技巧としては素朴な歌。
新古今の山部赤人に「ももしきの大宮人は暇あれや桜かざして今日も暮らしつ」とある。
梅から桜に変わっているということで文化の違いだったり、桜に変わってることで歌全体の印象が変わったりという違いがある。
また新古今の方が平和な詠嘆を読んだ歌になっているということだ(ビギナーズクラッシックス参照)。

【本日の一句】
ももしきの暇の長し春の風

ももしきをとにかく長い暇として、緩く風が吹いているということで読んでみました。おそまつ。

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