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脇役の喜び

昨日、衰弱してこの施設へ入所して来た人物を見てちょっと悲しい気持ちになっていた。一転して今日、ちょっと嬉しい気持ちになった。
出勤した時、丁度彼が朝ごはんをところだったのだ。

空になった皿を目の当たりにして「全部食べれたんですか?」と思うのと口に出すのが同時だった。
スプーンを持って「うん。」と答えてくれた。それにしても綺麗に食べたな〜。

思わずお礼を言う私に「食べて感謝されるのは初めてだ。」と。

今日からエンシュアと言う栄養補助食品を提供する予定だったが、それは変わらず遂行しよう。そして褥瘡の処置をしていてまたしても驚くことがあった。

昨日処置をしてからわずか1日だ。わずか1日なのに良くなって来た箇所が二箇所もあった。ここはフィルム保護に変更した。

足の結果に塞栓が出来る傾向にあるため弾性ストッキングが履かされていたが、昨日から弾性包帯に変更したのだが、これまたたったの1日で紫色だった足の指が肌色になっていた。凄いな。

何だかバタバタしていて彼のところにばかりいるわけには行かなかったのだが、昼食も夕食も自らの手できちんと摂取してされていた。エンシュアも飲んだ。

これならば低アルブミンも貧血も治りそうだ。

もうこういったことが、まさにこの仕事の醍醐味だなと思う。と何度も思わされるあの笑顔。

いや、静かに穏やかに永眠なさるお看取りの方のこと、いやいや、壮絶だったけれど最後まで戦った人だって、みんなみんな醍醐味だと思う。

そんなことをつらつらと思うのだが、いや、やはり良くなっていただけるのが一番嬉しい。

良いこともあり悪いこともあり。

だがしかし、明日も頑張ろう。

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