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電動カーゴバイクと生活して3年と走行距離10,000キロレポートー「お金編」

 前回記事では、カーゴバイクを買ったとして日本(福岡市)での利用環境の基本である走ること、とめることについてレポートしました。

続いて、カーゴバイク「BULLITT」(以下、「ブリッツ」)のお金編として費用対効果を紹介したいと思います。


電動カーゴバイクの購入費用について

我が家の電動カーゴバイク「ブリッツ」の仕様は以下のとおりです。

電動アシストのグレードとしてe6100は中程度のもの。写真で唯一異なる点は内装ギヤ11段である点を除きほとんど同じです。

写真のシミュレーション画像の右下が見積価格で6,758ユーロ。日本円に換算すると1,096,147.60円(2024年3月時点)で110万円ほどになります(コロナ前だったので筆者が購入した時よりもかなり値段が上がっています)。
軽自動車が買える値段であるのですが、今回は3年間実際に使ってのレポートになります。私がブリッツを購入したのは大阪のユーロバイクさんです。ユーロバイクさんとのトーク記事は以下のリンクです。

電動カーゴバイクは高い買い物なのか

軽自動車を購入するもしくはカーリースとの比較

 比較として日本で一番売れている自動車であるホンダNBOXを参考に考えてみます。車の費用については購入でもカーリースでも最終的な中古車としての売却を加味した総支払額は概ね同じくらいになることから、カーリース使う年数で決まる月額の費用を参考に考えていきます。

カーリース「定額カモルくん」による「クラベルさん」運営。:ナイル株式会社より抜粋
https://mag.app-liv.jp/kuraberu-car/article/carlease/n-box/

詳しい損得は記載しませんが、上記のリース料金に加え任意保険に加入費用やガソリン代、駐車場代の経費がかかることになります。

ではカーゴバイクで購入後に追加で係る大きな経費は以下の内容でした。

  • 内装ギヤの交換(満3年間10,000キロ使用した結果の交換:5万円)

  • 内装ギヤのメンテナンス(5,000キロの際に実施:1万円)

  • ブレーキパッドの交換(5,000キロの際に実施:1万円)

  • ブレーキパッドの交換(5,000キロの際に実施:2万円)

  • 上記それぞれに工賃が上乗せされるのですが、微々たる額です。

特に最初から装着されているドイツ製のシュワルベ「マラソンタイヤ」の恐ろしいほどの防護/耐久性能で一度もパンクがありませんでした。今回10,000キロ走行による内装ギヤやブレーキの交換によりほとんど新車同様になります。またバッテリーの出力は全く落ちていません。バッテリーを交換するとしても10万円以下での購入できます。

上記の最低価格のカーリースで11年契約した場合で、同じ満3年となるとリース代のみで83万円となり、これに任意保険とガソリン代等が加わると、カーゴバイクの購入とほとんど大差がなくなってきます。

カーゴバイクだけでは家族の移動のすべてを賄えないのも実情...

セカンドカーの代替としてのカーゴバイクの可能性

 上記のようにコスト的には軽自動車よりも安い移動手段なのがカーゴバイクです。ただし病院や商店街などの商業施設が徒歩圏にある都心部に住んでいる場合を除き、子育て世帯においてカーシェアのいう手段を含めてクルマは1台は必要なのが実情です。(家族での移動や子どもの発熱などの際は車で移動することが常識・・・)
 クルマを所有することはウォーカブルの提唱者であるジェフ=スペックも著書でこう述べています。

車を持たないライフスタイルが良いと主張しているわけでもない。実際、この原稿を書いている時点で、車の購入を真剣に検討している。2人目の子どもが生まれたことで、車が私たちの生活の質の向上に貢献する状況が生まれたためだ。
(中略)こんなことを書くと期待はずれに見えるだろうか。しかし、車も選択肢のひとつだという都市のアイデアからは逸れていない。

ジェフ・スペック:ウォーカブルシティ入門:学芸出版社,pp72-73

ジェフも上記の記述のあとにもクルマは都市のエネルギー源であり、街並みに活気を与える重要な要素であるが、クルマが私たちの都市や生活を歪められる自由裁量権を得ている現状が問題としています(同書P79)。
 筆者の住む周囲はカーシェアサービスも展開されない山間部ですが、市街地ではカーシェアサービスが重視しており、この分野に関心のある方々は各々の住まいで選択をされ実践されています。

結論として、カーゴバイクの可能性は少なくとも1世帯あたりのクルマの台数を抑制する点では非常に効果があるという点だと思います。地方都市である福岡市の郊外部では大人の人数分のクルマがあることが当たり前になっています。もし2台目以降をクルマではなく、カーゴバイクで担えた場合、これまでクルマの購入と維持に掛かっていたお金をカーゴバイクでいける範囲の地域での消費に回すことができます。

この記事がカーゴバイクに関心がある方の購入に少しでもお役に立てれば幸いです。第3回はまとめとしてカーゴバイクがより日本で日常の風景になるための考え方について書いていきたいと思います◎

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