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見ても見ても「わからない」 ー目【mé】  非常にはっきりとわからない @千葉市美術館

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 ネタバレはなしで。

 目  非常にはっきりとわからない @千葉市美術館

 さいたまトリエンナーレや六本木クロッシングなどで「驚き」のある作品を発表してきた、日本の3人組のアートユニット・目 [mé]の、美術館では初となる個展です。

 展示を見進めるにつれて「こういう展示なのかな?」という予想を何度も裏切られて、思わずフロアを何度も行き来してしまう展示でした。

 自分が何を見たのか、展示を全部見切れたのか、展示を見終わった後にも不安でそわそわしたまま帰宅。なんだか、安心してみられる ”美術館の展示” というものの感覚を壊す展示でした。

 そして、「これは”こういうタイプ”の展示なんだな」と、いろんな展示や作品をどこかで”型”にはめて見てしまっていた自分に気づいてちょっと恥ずかしくなる展示でもありました。

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(千葉市美術館1F、旧川崎銀行千葉支店の建物を残したさや堂ホールのみ撮影OKですが…これだけ見ても「わからない」です…)

 …ネタバレは避ける、というよりも、意図とあっているのかどうかも「わからない」ですが。観客が”見る立場”であることを曖昧にする事と、一方では 展示する側と観客側の「体験の非対称性」で、自分が”見る立場”だということが際立って感じさせる事 とが両立しているような、不思議な体験でした。

 一度チケットを購入すれば、会期中は何度でも入場OKとのこと。もう一度くらい見に行かないとまだ「ちゃんと見ていない」ようで不安に感じる… なんだかもう本当に「非常にはっきりとわからない」展示でした。

 2019年12月28日(日)までです。

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【展示概要】 目 非常にはっきりとわからない @千葉市美術館

目展

会期:2019年11月2日(土)〜12月28日(日)
観覧料:一般 1200円、大学生 700円、小・中学生、高校生無料
※ ナイトミュージアム割引:金・土曜日の19時以降は大学生無料/一般600円
時間:10:00~18:00
金、土曜日は20:00まで
休館日:11月5日(火)、11日(月)、18日(月)、25日(月)
12月2日(月)、9日(月)、16日(月)、23日(月)
※11月5日(火)と12月2日(月)は全館休館

 空間を大規模に変容させる表現などで、現実世界の不確かさを人びとの実感に引き寄せる作品を展開し、国内外で大きく注目を集める現代アートチーム「目」の、美術館における初の大規模個展を開催します。
 千葉県の地球磁場逆転地層(チバニアン)や、それらの地質学によって示されるように、未だに原因が解明できないような天変地異の連続の上に、私たちの現実という地表の世界は成り立っています。本展では、展示物に加え、鑑賞者の動きや気づきを含む千葉市美術館の施設全体の状況をインスタレーション作品として展開し、突き放された現実としての美術館に人々を誘います。様々な状況が集積されてゆく動的な展示空間は、訪れる人々が理解していたはずの意味や本質を剥がしてゆくように、当たり前のものとしてどこか見過されているような現実世界を、新たな感覚で捉え直させる機会となるでしょう。

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