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トイレ と アートプロジェクト。

今、渋谷区で進行している「THE TOKYO TOILET」プロジェクト。

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安藤忠雄さん、伊東豊雄さんといった建築家や、佐藤可士和さん、片山正通さんといったデザイナーら16人のクリエイターが参画され2021年のうちに渋谷区の17カ所の公共トイレが生まれ変わっていくプロジェクト。

このうち、2020年9月までにオープンしたものを 歩いて巡って、webメディア「ナンスカ」で記事に書かせていただきました。

■ スタイリッシュなトイレから スケルトンのトイレまで?渋谷区の公共トイレが生まれ変わる 「THE TOKYO TOILET」プロジェクト

安心して使えるトイレが増えるのは嬉しいなぁと思いつつ、そういえば過去にはアートプロジェクトとトイレを掛け合わせたものがあったなぁと、印象に残ったものを思い返してみました。

■ おおいたトイレンナーレ

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大分県大分市で2015年7月18日から同年9月23日まで開催された、数カ所の「トイレ」を会場とした現代美術展です。

「アートプロジェクトを行うよりも、そのお金でトイレを作ってほしい」という意見から、トイレを作りつつその中にアートを取り入れて行くというユニークな試み。藤浩志さんや、眞島竜男さん、目など、16組のアーティストによる14か所のトイレが出展されました。

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公共のトイレに作品が展示されたり、新しい公衆トイレがつくられたり…というだけでなく、普通のお店のトイレにも作品が置かれていたのでそれをきっかけにお店の方とお話しさせていただいたり。本当に個室のなかで見る作品もあったので、待っている人がいないか気になってソワソワしてしまったりもしましたが。

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(ちなみに、当時は目のことを知らなかったのですが、今思い返すと目の作品が一番印象に残っています…)

この年は、大分県立美術館がオープンした年でもあり、大分駅から美術館に向かう間に楽しめるようになっていたのも面白かったです。

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(このときは、ちょうど作家さんが地元出身の「進撃の巨人展」をやっていたので、それとコラボレーションしたようなディスプレイもつくられていたり。割とカオスでした。)

ちなみに、「トイレンナーレ」というネーミングは、3年に1度の芸術祭「トリエンナーレ」をもじったもの。このほかにも、電車で行う「トレインナーレ」や、食のイベントと合わせた「鶏天(とりてん)ナーレ」なんてアイディアも挙がっていたなんてエピソードも当時伺いました。(「トレインナーレ」という名前ではないけれど、電車でのアートプロジェクトは同時開催されていました。)

■《Toilet in Nature》/ 藤本壮介

いちはら アート×ミックス2014で製作された、建築家・藤本壮介さんによるトイレの作品「Toilet in Nature」。無人駅である飯給駅の駅前に作られたきれいなトイレですが…

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野原の真ん中に置かれた、ガラス張りのトイレ。

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約200m2の敷地の周囲は木の塀で覆われていて、塀にはちゃんと鍵もかかります…が、なかなか勇気がいりますね… あぁ、でも、ここで気にせずにトイレに入れるようになったら何か意識が変わったりするのかも…?なんて。

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アート×ミックス2014では、ほかにもトイレの作品CLIPによる《森の入り口》も。こちらは、上総大久保駅の駅前につくられた、トンネルをイメージさせるトイレです。

市原市を舞台とした芸術祭「いちはら アート×ミックス」は、本当は2020も開催予定でしたが1年延期に。でも、トイレの作品は常設なのでいつでも見に行けますね。

アートベース百島 のトイレ

閉校になった尾道市百島の旧中学校舎を再活用し、アーティスト・柳幸典さんを中心に創作活動を通して、離島の創造的な再生を試みるアートセンターです。

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アート作品というのかわからないし、写真は撮っていませんが、こちらのトイレはとにかく印象的すぎたので…

なんというか、学校のトイレがまるごと1人分の個室、のようで…そして、内装も独特で… 夢に出そうなトイレでした… あぁ、個室っていうのは狭いから落ち着くんだななんて実感してしまったりしました… 

常設作品が素敵な場所ですが、なんだか、それにも負けないインパクトのあるトイレでした。


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あと、アートプロジェクトではないけれど、トイレの作品といえば、今年の緊急事態宣言開けにANOMALYで見たChim↑Pomの《A Drunk Pandemic》 の「コレラ」に注目した作品も印象的でした。

オリジナルビールを醸造し、その直営店としてトレーラー型公衆便所を「Pub Pandemic」(トイレとしてもバーとしても機能する場)として開店。その「Pub Pandemic」のトイレでの来場者の尿が混じった汚水(を消毒したもの)でブロックを製造し、街の補修剤として還元していくという作品。

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ちょっと変わったものばかり紹介してしまいましたが、健康に生きていく上で、安心して使えるきれいなトイレは重要。その一方で、アートもやっぱり重要、というのは、今年とても実感したことだったりもします。

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