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「ハワイのあれ」おばさん

学生のとき、アパレルのアルバイトをしていた

今は撤退してしまったがアメリカのブランド

都内の旗艦店でも路面店でもなく
モールの中の店舗なので客層はほぼファミリー
客単価も低めで
新作よりセール商品の需要が高いような店だった

思い出深い出来事はいくつかあるが
なかでも忘れがたいのが
「ハワイのあれ」おばさん である

レジで会計をしていると、
🧓「この間ハワイの店舗に行ったのだけれど、
あれはここにはないの?」

あれとは…?

どんな商品かお伺いしたところ
いまいち商品の特徴が曖昧で伝わらない

日本に入ってこない商品もあるとお伝えすると
🧓「あらそうなの〜、あれすごく良かったんだけれど」

と、一言

そこで悟った。この方はハワイのあれ
見つからないことなどに困っているのでなく、
「私ハワイに行ってきたのよ」を言いたいのだと

それでも引き下がらず
🧓「袖がこうでああで、よかったんだけど、やっぱりないのねえ」と仰るので 

レジも混雑しており
「ハワイのあれ、お取り扱いがないんです」と
お伝えすると
🧓「やっぱハワイじゃなきゃダメねえ」と
満足気に去っていった

結局、あれの正体はわからないが
ご満足頂けたようで一件落着

お客様の本当に求めているものを
見極める力がついたのであった(笑)

「ハワイのあれ」の正体は謎のままだが
ハワイに行ったひとあるあるなのでしょうかね

そもそも若向けのブランドだったので
おばさま好みの商品があったかも怪しいところ

私がハワイを訪れたのは一度だけ
それも天候の安定しない時期に行ってしまい
あまりいい思い出がない

一時フラを習っており
一度は行ってみたかったハワイ

よく、空港に着いた瞬間からハワイの匂いが!
天国みたいだときいていたので期待しすぎたのか

すっかりアメリカナイズされた
日本人旅行代理店スタッフらしき人々や
日本人ヨガ講師の言動にも少々呆れてしまった

郷に入って郷に従えなんて言葉がありますが
しっかり体現されておりました

世界中どこに行っても日本人の精神は
常にどこかに持ち合わせていたいものです

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