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ハマナス Japanese rose

【ハマナス】浜茄子、浜梨
学名:Rosa rugosa
英名:Japanese rose
バラ科バラ属 落葉性低木 
原産国:東アジア
北海道・東北・北陸〜山陰の海岸砂地に自生 
太平洋側南限:茨城県、日本海側:島根県
開花時期:5月〜7月

<基本情報>

日本原種植物のひとつであり、果実はいわゆる「ローズヒップ」。
お茶、果実酒、ジャムなどの食用に。根は染料に使われている。

花びらは5弁。近縁種には八重咲きもある。花色は殆どが濃いピンクで白もあり、どちらも強い芳香がある。

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枝には鋭いトゲがびっしりとある。葉は、先端に小葉(しょうよう)が一片ついた奇数羽状複葉(うじょうふくよう)といい、鳥の羽のように小葉が3~9片、奇数で並んでいる。その全体が一枚の葉となっている。

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自生地は主に海岸沿いで這うように群生。日本海側・南限地は、島根県大田市静間町垂水地区の近藤ヶ浜。島根県の天然記念物に指定されいる。太平洋側の南限地は、学説的には茨城県鹿嶋市大小志崎の海岸とされているが千葉県九十九里町にも自生地がある。
(九十九里町 https://www.town.kujukuri.chiba.jp/0000000343.html 

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北海道の花で道内12ヶ所の市町村の花にも指定されている。青森県では、青森市、むつ市、蓬田村、鰺ヶ沢町、野辺地町、大間町、風間浦村、7箇所の制定の花。

「ハマナシ」が訛って「ハマナス」と呼ばれるようになったと言われるが(牧野富太郎博士もそう言っている)、諸説あり古い文献にも「ハマナス」として記載があるので本当のところは分かっていないようだ。

中国の「玫瑰(マイカイ、メイクイ)」はハマナスの近縁種で、蕾を乾燥させたお茶として「玫瑰花」がある。(写真はハマナスの蕾)

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ヨーロッパで多数の品種のバラを産んだ原種の一つであり、英名の「Japanese rose」はハマナスの他にノイバラ(Rosa multiflora)もそう呼ばれる。

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<主な栄養成分・フィトケミカル>

【花弁】ビタミンCのほかポリフェノール類(アントシアニン、タンニン、フラボノイドなど)を多く含む。ハマナスに含まれるビタミンCは熱に強いと言われている。

香気成分:リナロール、ネロールアセテート、ゲラニルアセテート、シトロネロール、ゲラニオール、フェネチルアルコール、ローズオキサイドなど

同じ香気成分が含まれる他の代表的な植物
●リナロール…クロモジの主成分。他にはベルガモットやラベンダーなど
●ネロールアセテート、ゲラニルアセテート…ネロリ、レモングラスなど
●シトロネロール…ゼラニウム、シトロネラなど
●ゲラニオール…パルマローザ 、ゼラニウム、シトロネラなど

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【果実】ビタミンCの爆弾と言われるローズヒップ の一つ。βカロテン、リコペン、αトコフェロール、ポリフェノール類
ハマナス由来の乳酸菌、GABA®︎も見つかっている。(青森県産業技術センター下北ブランド研究所)

ハマナスには複数のポリフェノールが含まれており、なかでも「ティリロサイド 」には脂肪燃焼効果(森下仁丹)が認められている。「テリマグランジン」の抗酸化作用、アレルギー軽減等の研究が進められている(北見工大)。

▼ハマナスにまつわる文化などはこちらに浅くですがまとめています


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