スグリ/グースベリー/北海道・北東北
【セイヨウスグリ】西洋酸塊、(別名:丸酸塊、須具利、グズベリー)
学名:Ribes uva-crispa
英名:gooseberry
スグリ科スグリ属 落葉低木
原産国:ヨーロッパ
主な産地:北海道、北東北など
収穫時期:6月下旬-7月(青森県むつ市の場合)
見出し画像は青森県むつ市「チャーリーズジャム」さん栽培のスグリ。
<基本情報>
スグリ属の種類は多く150種ほど確認されている。「スグリ」の英名グースベリーは総称であり、ヨーロッパ原産セイヨウスグリと、米国原産のアメリカスグリ(Ribes hirtellum)に大きく二分される。特にヨーロッパ系はうどんこ病(糸状菌というカビの一種)に弱く、主に寒冷地で栽培される。
高さ1〜3メートルの低木で、枝には鋭いとげがある。16世紀には北ヨーロッパで庭園用栽培開始とされている文献があり、米国では先住民により利用されてきたといわれる。「グースベリー」の語源はガチョウ料理や魚料理のソースとして使われたとされるが詳細不明。
<日本への導入>
明治初期、「フサスグリ(カラント類)」を含むスグリ類が北海道開拓使により導入されたといわれ、大正時代には1,600tの生産があったとされる。昭和に入り減少していった(うどんこ病の蔓延などの理由か)。
導入された品種は大正時代に「ホワイトスミス(ドイツ大玉)」、昭和20年代に米国より「グレンダール」「オレゴン・チャンピオン」ほか、昭和30年代に「ピックスウェル」などが入ってきている。
(参考:中央果実協会資料)
※栽培品種についてはこちらが詳しい→「みんなの趣味の園芸」
<日本固有種>
日本にも野生種のスグリがある(R. sinanense F.Maek.)など(長野、山梨、群馬と記載があるがリサーチ中)※参考資料:『日本の固有植物』(2011国立科学博物館)、日本大百科全書(ニッポニカ)/平凡社『世界大百科事典 第2版』
スグリ属の野生種の中でも珍しい、ブナ等の樹上に着生するヤシャビシャク(夜叉柄杓、Ribes ambiguum)は絶滅危惧種。
▼東北森林管理局のページ
<主な栄養成分・フィトケミカル>
ビタミンB1、B2、C、E、カロテン、ナイアシン、パントテン酸、カルシウムなどの他、特に多いのが葉酸、鉄分、クエン酸でミネラルも豊富であり、特にカリウムが多い。(参考:五訂日本食品標準成分表)
▲種類不明
<青森県では>
※個人的な推測、昭和時代の経緯とよく目にする果実の形状からアメリカスグリの系統ではないかと思っている(詳しい方教えてください)