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【MTGアリーナ】無課金救済!レア0赤単『ランク上げ太郎LCI』デッキガイド(ミシック到達クラス)

本稿では、私が今シーズンランク戦において実施した「レア、神話レア一切不使用でミシックに到達」企画で使用し、2023/12/09付で実際にミシック到達を果たしたデッキ『ランク上げ太郎LCI』に関する解説を行う。
下記リンクはデッキを実際に使用するところを配信し、その際の私の思考を可能な限り言語化した様子を収めた動画である。

『無課金を救え!レアカード0枚ミシックチャレンジ!LCI編』(2023/12/09配信)
(https://www.youtube.com/watch?v=PWquQ1B5ITw)

見る見ないは読者諸君の自由であるがどうせなので適当に飛ばしながらでも何試合か見てくれると嬉しい。
途中から解説というより実況になるが、マリガン基準やカードを切る順番などはある程度真面目に話したつもりだ。

"本稿はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。©Wizards of the Coast LLC."



・『ランク上げ太郎LCI』とは

スタンダードBO1でランクマッチを潜るために作成された赤単色のデッキ。
コンセプトは『レア・神話レア不使用』。
主に無課金者や、ゲームを始めたばかりでカード資産が少ないプレイヤーに向けて、ミシックに到達可能な水準を目標として作成された。
現在の基本構造を継承した型は、プラチナ4から使用し続け、2023/12/09日付で同日の配信後にミシック到達。
このデッキは2023/12/09現在(LCI環境)においてミシックランクに値するデッキであることが証明された。
プラチナ4からミシックまでの通算の勝率は55%であった。
褒められた勝率ではないが、根気良く戦えばランクを上昇させることは可能な値だ。
しかし、ここで紹介するリストは先述した配信の後にデッキに調整を加え、最後の5ポイントを5連勝してミシック到達を達成したリストのため、そのバージョン自体の勝率は100%であった。
そのため、改定後のリストの実力が『本物』であるかどうかを確かめるべく、「スタンダード・イベント」で追加でおよそ20戦かけてデッキパワーの検証を行った(BO1イベントの対戦相手の強さは個人的な体感でプラチナ~ダイヤと同レベル)。
結果11勝8敗、これに先んじて行ったランクマッチでの5勝1敗を足して16勝9敗、勝率にして64%という結果となった。
これは十分実用に足るデッキだと判断したため、本稿で掲載するリストは配信時のものではなく、この最終リストを掲載する運びとなった。
とはいえ現状のリストはまだ最適解には至ってはいないと思うので最終的な完成は読者諸君の手で果たしていただきたい。
デッキリストは下記の「英語の物」をコピーし、アリーナの言語設定を「英語」に変えてインポートしていただきたい。
内容は日本語、英語とも同じものである。(日本語はインポートが上手くできないためこのような形を取った)
ちなみに最終リストの実力を検証する際ランクマッチを使わなかったのは「ミシック順位帯」に対してはこのデッキは通用しないであろうと考えたことと、私自身が順位争いは全力で挑みたかったためである。

・デッキリスト

デッキ
4 熊野と渇苛斬の対峙 (NEO) 152
22 山 (WOE) 273
4 僧院の速槍 (BRO) 144
4 フェニックスの雛 (DMU) 140
4 呪文槍のケンラ (MOM) 151
3 地質鑑定士 (LCI) 150
4 イモデーンの徴募兵 (WOE) 229
4 巨怪の怒り (WOE) 142
2 エターリの好意 (LCI) 149
1 ケルドの急襲隊 (DMU) 136
4 稲妻の一撃 (DMU) 137
2 猛火の最高潮 (ONE) 123
1 双頭の狩人 (WOE) 155
1 歪んだ忠義 (WOE) 154

Deck
4 Kumano Faces Kakkazan (NEO) 152
22 Mountain (WOE) 273
4 Monastery Swiftspear (BRO) 144
4 Phoenix Chick (DMU) 140
4 Khenra Spellspear (MOM) 151
3 Geological Appraiser (LCI) 150
4 Imodane's Recruiter (WOE) 229
4 Monstrous Rage (WOE) 142
2 Etali's Favor (LCI) 149
1 Keldon Strike Team (DMU) 136
4 Lightning Strike (DMU) 137
2 Blazing Crescendo (ONE) 123
1 Two-Headed Hunter (WOE) 155
1 Twisted Fealty (WOE) 154

〇保有カード0前提における使用ワイルドカード数
アンコモン:29枚
コモン:9枚

〇デッキタイプ
『アグロ』:敵の態勢が整う前に攻撃を仕掛けそのまま倒し切る。
1試合が短くプレイヤーに対する負担が少ない点もこのデッキのメリットである。

〇マリガン判断
1ターン目からパーマネント(クリーチャー)を展開することは大前提。
そこからさらに2ターン目、3ターン目とスムーズにマナとカードを使いきれるかどうかが重要。
基本的には1,2ターン目はパーマネントを戦場に出せることがキープできる手札かどうかのおおよその基準になる。
土地は初手に2-3枚程度(マリガンで戻すなら重いカードか3枚目の土地がよい)、初手に土地4枚は手札の攻撃力が不足する可能性が高いうえにデッキ内の土地がほぼ死に札となるため基本的にはキープすべきでない。
完璧な引きができればトリ(3)マリでも勝つことはできるので、初手が精彩を欠くようならダブ(2)マリ程度までは恐れず挑戦した方が良い場合が多い。

・各カード採用理由

・山(22枚)

今回のデッキは4マナの《地質鑑定士》までプレイすることを意識してデッキを構築している。
とはいえ土地の引き過ぎに対する受けはあまり利かないデッキであるため4マナがある程度スムーズに出るぎりぎりのライン、「22枚」で構築している。
とは言ったものの厳密な計算を行ったわけではない。
勘である。

・熊野と渇苛斬の対峙(4枚)

このデッキにおける最強の1マナパーマネント。
第2章でしっかり後続のクリーチャーにカウンターを乗せていくことが重要。
後述する《フェニックスの雛》などはこのようなカードと組み合わせて強化できるか否かで敵のライフに与える圧力が全く異なるためこのデッキを支える一枚といえる。
文句なく4枚採用。

・僧院の速槍(4枚)

非常に強力な1マナのクリーチャー。
1ターン目から対戦相手のライフに圧力をかけることができ、その後も果敢を絡めることで高火力を発揮。
レアカードを選択肢に入れたとしてもこれに代わる強さを持つクリーチャーは赤の1マナにはいないのではないだろうか。
文句なく4枚採用。
《熊野と渇苛斬の対峙》と同時に初手にある場合は1ターン目どちらを先にプレイするか選択することになる。
基本的には《熊野と渇苛斬の対峙》からスタートした方が良いことが多いが、後攻で初手に後述する《稲妻の一撃》を握っている場合など、2ターン目にクリーチャー呪文を撃たない時に1ターン目《僧院の速槍》から入り、《熊野と渇苛斬の対峙》は後から速槍の果敢と第2章のカウンターをしっかり乗せる形でプレイするといったパターンもある。
《フェニックスの雛》と選択になった場合回避能力を持たない速僧を先にプレイして地上が固まらないうちにダメージを稼がせることが多いように思う。

・フェニックスの雛(4枚)

正直に言ってこのカードは単体のカードパワーは物足りない。
しかし、飛行と速攻で序盤から終盤に至るまで安定して相手のライフに圧力をかけ続けることができる点は評価したい。
このカードが真価を発揮するのは《熊野と渇苛斬の対峙》や、後述する《巨怪の怒り》などで強化されたときである。1/1飛行と2/2飛行は対戦相手に与えるプレッシャーがまるで違う。
当たり前だが1/1は20回敵を殴らなければ倒せない。
2/2は10回殴れば敵を倒せる。
カードの持っているパフォーマンスが2倍に跳ね上がる。
まして飛行持ちでブロックが難しいのならそのプレッシャーはなおさらである。
果敢でサイズアップできる《僧院の速槍》と違って本人は1/1でしかないため状況にもよるのだが、強化呪文はなるべくこいつにつけてやりたい。
《巨怪の怒り》のようなクリーチャー強化呪文の火力をしっかり対戦相手に撃ち込むためにも頼りになるクリーチャーである。
墓地からの蘇生能力も時折効果的に機能することがあり、おまけとしては申し分ない。

以上がこのデッキの1マナクリーチャーである。(《熊野と渇苛斬の対峙》は役割上「クリーチャー」として扱っている)
最低でも上記のいずれかを1ターン目にプレイすることがこのデッキの大前提となっている、デッキの基礎となるクリーチャーたちである。

・呪文槍のケンラ(4枚)

このデッキ唯一の2マナクリーチャー。
この制限下ではおそらく最強の2マナクリーチャーである。
マナカーブを埋められるカードが他にないため4枚採用。
変身は、上手く決めれば1打10点以上の火力もたたき出せる必殺技だが、変身に合わせて除去を撃たれると敗北へ直結するほどのリスクを抱えているため、判断は慎重にした方が良い。
4ターン目ともなると護法を突き破って《喉首狙い》されたりするため、過信は禁物。
ゲームが長引いた場合「召喚→即変身」の動きで疑似的に5マナのクリーチャーとしてふるまい、土地の引きすぎに対するある程度の受けとしての役割も持っている。
不可能を可能にする圧倒的攻撃力は魅力ではある。
レアには速攻持ちの優秀な2マナクリーチャーが多数存在するためレアを解禁すると抜けていくカードでもある。

以上がこのデッキの2マナクリーチャーである。
弱いカードは極力使いたくないため、カードを厳選した結果、残ったのはこの《呪文槍のケンラ》のみであった。
この構造上、このデッキは「1ターン目→1マナ、2ターン目→1マナ*2」といった動きをすることも頻繁にある。
ケンラが引けていなくても、1,2ターン目(できれば3ターン目まで)の流れがスムーズな初手ならば十分キープを検討できる手札である。

・イモデーンの徴募兵(4枚)

小粒なクリーチャーを並べて戦うことが多いこのデッキでは3マナ3/2速攻以上のパフォーマンスを発揮することが多い。
また、後述する《地質鑑定士 》のベストパートナーであり、単体でもギリギリ最低限のスペックを持っているため4枚採用。
出来事は無視。

・ケルドの急襲隊(1枚)

《地質鑑定士》のパートナーとして採用。
一応更地だとまぁまぁ火力があって悪くないのだが、やはり《婚礼の発表》のトークンすら越えられないのはいただけない。
できれば手札に来てほしくないので1枚の採用

以上がこのデッキの3マナのクリーチャーである。
このデッキは順調にいけば4ターン目には対戦相手のライフを削りきる。
よって3マナのクリーチャーは召喚してすぐ、貢献してくれるクリーチャーであることが望ましい。
また、このデッキは「発見」を試すことから始まっており、《地質鑑定士》と「速攻付与」の組み合わせは非常に魅力的に見えた。

・地質鑑定士(3枚)

繰り返すがこのデッキは順調にいけば4ターン目には対戦相手のライフを削り切る。
しかし実際には敵の呪文やブロッカーに阻まれそう簡単にはいかない。
そこでデッキのバリューを高めるためこのカードを採用することにした。
対戦相手の渾身の《太陽降下》への返しに《地質鑑定士》をプレイし《イモデーンの徴募兵》をめくって一挙7点削って勝利!
などといつもうまくいくわけではないが、実際にそういうシーンも何度かあった。
状況にもよるが、雑な体感として平均5マナ相当程度の働きはしてくれている感じはする。
そもそもこちらの手勢を全滅させたと思っている相手に、一挙2枚のパーマネントを展開できたりするだけで悪くない。
しかし、初手に1枚程度ならまだしも2枚もあると大抵邪魔になるので、当初は4枚採用だったが、1枚だけ減らして3枚の採用とした。
このカードを2枚も3枚も使わなければならないゲームはこのデッキのコンセプトから逸脱している。
このカードを採用する前の前シーズン型の構成では思うような戦績が出せなかっため、それと比較して今の型の基本骨格は悪くないはずである。

以上がこのデッキの4マナの呪文である。
もともと4マナはこのデッキのマナカーブの終端として設計している。
初手に持っている必要はないし、ゲーム中1枚プレイできれば大抵は十分である。
しかし「鑑定士→イモデーン」のコンボで勝ち取ったゲームも確かに存在しており、「ワンショットの可能性もある1:2を高確率で取ってくれるカード」として相手にとどめの、あるいは逆転の一打を狙える貴重なカードである。

・双頭の狩人(1枚)

「発見3」に引っかからず、攻撃力の強化に貢献でき、かつ土地の引きすぎに対する受けになるカードを探した結果このカードに行きついた。
テストプレイした25戦では1度もクリーチャーとして唱える機会は来なかったので未知数なカードである。
デッキを改造するときはまずはこのカードを抜けばデッキの基本骨格を崩さずに済む。
基礎スタッツが低いクリーチャーが多いためコンバットトリックとしての効力は(無力ではないが)思ったほどでないケースが多かった。

以上がデッキの全ての5マナ呪文である。
採用理由は以上に述べた通りである。

・巨怪の怒り(4枚)

非常に強力な1マナコンバットトリック。
唱えた後に残る「怪物・トークン」が非常に強力であり、「《僧院の速槍》をトランプル持ちする」ことや、「《フェニックスの雛》を2/2」にすることは非常に大きな意義がある。
もちろん唱えた瞬間の「パワー+3」も非常に強力である。
強いクリーチャーや対策カードが使えないこのデッキでは下手に相手に対処しようとするより、このようなカードで押し込んだ方が大抵強い。
文句なしの4枚採用。
このカードを強く使うためにも、「クリーチャーが常に戦場にいる」ことが重要になる。

以上、このデッキの1マナのスペルである。
《火遊び》が採用されていないことについて触れておく必要があるだろう。
《火遊び》は高い汎用性を持つ優秀なカードであるが、「相手のライフを直接狙う」点で言えば「1枚で2点」の価値しかない。
《巨怪の怒り》なら、決まった時点で3点叩き込んでおり、その後トークンが乗っているクリーチャーが1発殴るたびに4点、5点とダメージを与えた計算になり、カード1枚での攻撃力の貢献度は比較にならない差が出てくる。
他に強力なカードを使えないこの構築条件では「汎用性」よりも純粋な「力」を優先した方が良いと考えての結論だ。(実際《火遊び》を採用して「1点足りない」というシーンがあった)
また、先に述べた「発見」のバリューをなるべく下げない点でもこれ以上1マナのカードは採用したくなかった。

・稲妻の一撃(4枚)

信頼と実績の汎用火力。
1枚3点なら攻撃力も悪くない。
4枚採用。

・猛火の最高潮(2枚)

当初は後述する《エターリの好意》4積みだったが、手札が重くなるケースがたびたび見られ、マナカーブ的にも美しくなかったため「打点」「アド」「マナフラ(土地引きすぎ)受け」3役を1枚でこなせるこのカードに白羽の矢が立った。
《エターリの好意》を2枚減らし《猛火の最高潮》2枚を投入。
マナカーブもきれいになった。

以上がこのデッキの2マナのスペルになる。
このデッキの本領は「クリーチャーの攻撃力」にあるため《稲妻の一撃》はあくまでサポート役であると思った方が良い。
2ターン目の動きが《稲妻の一撃》しかない手札などは基本的にはマリガンした方が良い。
このデッキ唯一の除去呪文であるためどこに打つかは対戦相手の動きも見て慎重に決めるのが良い。

・エターリの好意(2枚)

「発見」連鎖でめくれるのがベストムーブではあるが、普通に《フェニックスの雛》につけたりするのも悪くはない。
ただ、めくれるカードでバリューが大きく変わるので、他に選択肢があって、またそちらのプランで勝ちに行ける動きになるならそちらを優先した方が安定感は高いだろう。
とはいえ、めくれたのが《フェニックスの雛》などであっても3マナ2/2速攻相当の働きはしているので悪くはない。
トランプルが付くのも加点要素。
先に述べた理由により2枚採用。

・歪んだ忠義(1枚)

相手が強力なブロッカーを立てるとお手上げになりやすいので、相手の意識外からのリーサルを狙って1枚採用。
とどめ以外で使わされるゲームはそもそも大抵負けるので枚数はこれ以上は必要ない。
さりげなく《地質鑑定士》でめくれたとき両方《地質鑑定士》を対象にすることで4マナ4/3速攻として振舞うこともできて思ったより発見の邪魔もしない。
基本的に尖ったカードであるため、デッキを改造するときはこのあたりを抜くとデッキの基本骨格を崩さずに済む。

以上がこのデッキの3マナのスペルである。
基本的に戦いの大勢を決するのはクリーチャーであるため役割としては「脇役」になるが、「発見連鎖」や「相手のフィニッシャーを奪って逆転勝利」などといった劇的な体験を与えてくれるカードたちでもある。

・最後に

以上でこのデッキの解説は終了となる。
この最終リストになってからまだ試合数が少ない(25試合)ため、このデッキの正確な実力は分かっていない。
しかし、執筆時点では持ち前の火力を生かして先攻後攻共に高い勝率を出すことができている。(苦手な後攻であっても勝率55%以上)
苦手なマッチアップとしては、レアリティの差がそのままデッキパワーの差になる「赤単ミラー」、マスト除去クリーチャーを連打される「緑白エンチャント」、アグロをしっかり意識した構成の「ドメインランプ」などがある。
しかし、ランクマッチで(執筆時点で)頻出するデッキに関しては大体5割以上の勝率で戦うことができる。
苦手対面に関しても、相手が少しでももたつけば一気に押し切り勝てるケースも十分ある。
1試合のプレイ時間もおおむね5分未満で、10分を超えることは滅多にないためランクマッチで手軽にミシックに到達したい人にはうってつけのデッキに仕上がったと思う。
ランクマッチにどんなデッキで挑めばいいのかわからなかった方は、ぜひ一度このデッキを試してみてほしい。
アンコモンの要求が多いので最初は少しカード集めが大変かもしれないが、それに見合った価値はあるだろう。
思いがけず長文となってしまったがここまで読んでいただいたことに感謝の意を表したい。
この記事が少しでも読者諸君の参考になればこの上ない幸いである。
以上で本稿を終了する。


ここまで読んで下さった皆様、ありがとうございました!

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