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そして私は彼に2度目の初恋をした

それは2度目の初恋だった。

 

テレビを前に私の心はスタッカートのように跳び上がった。セッションの尺の約3分間、音と私の心はぴたりと連動しいた。転調の瞬間は心臓が締めつけられるようなヒュッとした感覚になった。
テレビ画面の向こうで歌う彼。目を閉じるとある程度の距離を空けて向かい合っているような空気感に包まれた。そしてあの転調。瞬間、グッと彼の胸元に引き寄せられたような感覚。カッコイイとか好きとか素敵とかそんな言葉じゃ表せない。急に温かさに襲われて体温が上昇するのが分かる。

 

 

抱きしめられると

I feel so good


 

 

この歌詞のまんまだった。

あの瞬間、私は丸ちゃんの歌声に抱きしめられた。


それもふわりと抱きしめる感じではない。
ガッと力強く抱きしめられた感じだった。

 


10月20日の夜、関ジャムを見ていた私は画面越しの丸山隆平に2度目の初恋をした。

 

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今更感はあるが、私は筋金入りの声優追っかけだ。どんな人もまずは声から入ってしまう。たとえそれが芸能人であっても身近な人や彼氏であっても。声に惹かれるかどうかというのは私にとって大切なファクターなのだ。

関ジャニ∞のみんなにハマるきっかけもまさに声だった。関ジャムのセッションで出会った彼らの歌声の良さに鼓膜が反応してしまい、みるみるうちに彼らに魅了されてしまったのだった。

 

 

その中で一番心惹かれたのが丸ちゃんの声だった。

 

 

ボーカルのときの丸ちゃんの声はとにかく優しい。人の体温を音で感じ、表現することが出来るのだと思う。名は体を表すというが、本当にその通りだと思う。

 

「丸」ちゃんの声は「丸」い。


メインの時、ハモを担当するとき、ユニゾンの時、そして楽曲のテーマによって多種多彩な表情を見せる声だけど、一貫してあるのは聴き心地の良さだと思う。

心地よくてその声の温かさの中にずっとたゆたっていたいと思ってしまうのだ。

 

これまでのセッションでもその温かさに触れていた。中でも「星になれたら」や「Rain」、「夏の終わりのハーモニー」の伸びやかな歌声は一度聞いたら忘れられない。

 

 

そしてこの回の関ジャムのセッション。

楽曲は宇多田ヒカルさんの名曲【Automatic】だった。

 

 

大倉くんのドラムが音を発した瞬間、普段より重めの前髪で顔が影で見えなくなって「Automatic」
の歌の世界を纏った。
 

スタジオの真ん中に立っていたのはいつもの陽気な丸ちゃんというより、圧倒的色気漂う丸山隆平だった。

 
その表情は宇多田ヒカルさんが持つ、どこかミステリアスな空気に包まれていて、今、目の前にいる人は本当に丸ちゃんなのだろうかとすら感じてしまった。

 
これこそ関ジャムのセッションの醍醐味。特に丸ちゃんやヤスくんのセッションの時に思うのだけれど、彼らのセッションの面白さはカバーしている楽曲において、歌い手の感情が憑依したように音に乗るところだと思う。歌っているのは関ジャニ∞。でもそれだけではない。そこには作った人の思いと同時にしっかりと歌っている人たちの生々しい感情が乗っかっている。


だからこそ、関ジャムで披露するパフォーマンスはカバーではなくセッションなのだと思う。楽器のセッションなのではなく、オリジナルを歌った人(実際セッションに参加している場合もいない場合も)と関ジャニの感情のセッションなのだ。

 

歌詞に合わせて自然と自身を抱きしめる仕草は見ていて、ほのかなエロティシズムを感じだ。どんどん伸びてゆく丸ちゃんの声に私もつい溢れる感情を止められなくなってしまった。

 

「ああ、私この人の歌声が好きだなぁ」

 

その瞬間ふと思い出したフレーズがあった。

 

数ヶ月前のananの色気について語る関ジャニの対談コーナーで、彼は撮影(この時は写真だったけど)における撮る撮られることを「ベッド・インしているようなもの」というなかなか印象深い言葉を残した。

 

ベッド・イン、素っ裸である、つまりは素であること。

 
素であるからこそ感じる色気と表情。
それが垣間見えたセッションだったように思う。
 


このセッションのピークは転調の瞬間だと思う。

音楽にぴたりと乗った瞬間歌詞を越えてwowowと感情をむき出しにして歌い上げた時、鳥肌が止まらなかった。ついに歌詞から解き放たれて音楽の中で自由に羽ばたく様子は見た。そして息を飲むどころか、すべての機能が停止した。

この時、小さくニヤッと大倉くんが笑ったのもまた良かった。
 

 

 放送からすでに数日経過しているが、毎日見ている。この初恋に似た感覚にまた出会いたくて、この感情を追いかけるように見ている。

 

 

2度目の初恋はなかなか忘れることは出来なさそうだ。

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