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無題

もう覚えてないぐらいずっと前から、わたしは、映画や演劇を観るときや、バラエティ番組を見る時にだってここにいる登場人物たちの性別は存在しないのかもしれない、ただ社会的に決められた規範の中で強く役割を押し付けられているだけで心の中でどう思っているかなんてわかりはしないだろうから、という気持ちで全てをみている。 でもどうやらそういう見方をするのは稀というか、逆にそれは逸脱した見方らしいということをなんとなくじわじわと感じ始めたのがここ三、四年前ぐらい、その時は本当に驚いたというか

    • できないなりに精一杯やってみること

      1年ぶりです、plaintexxtです。 日本語では平文というペンネームでTwitterなど動かしていましたが、たいらあやという呼び名をイラストレーターの小山義人さんからいただいたのでこちら使わせていただこうと思っております何卒よろしくお願いします! 今年は本当に怒涛の1年でした、3月に学校を卒業し、その後ひどく体力を落としてしまったので就職活動もろくにできず、フラフラしている時期がありました。もうほぼその時の記憶はないのですが、印象的だった夢の日記やこれだけは更新してい

      • 拡張する身体感覚とSNS

        半年ぐらい前、私自身は実家暮らしなのだが一瞬だけ急に物件が気になり探していた時期があった。物件ファン、東京R不動産、ホームズ等… ひとりぐらしの経験は無く、これからもあと2年ぐらいは実家にお世話になるのではと推定されることもあり、何が最低限必要かすらわからないまま、ただなにも家具が置かれていない部屋の写真や間取りを見て理想の暮らしに思いを馳せるだけの無意な遊びをしていた。 たまに出会うおもしろ物件をひとりで楽しむのは勿体無いと思い度々友人にシェアしていたのだが、その中で一

        • 最近のゆめ

          雨でいっぱいになった庭に牛乳を振りかけるとその奥の湖まで届いてしまい焦る夢、そのあと家の脇の赤いランプがずっとひかり続けて逃げる夢。逃げた先には乱雑な本棚があってそれを呆然と眺めていたら、夏目漱石の”こころ”をみつけた。 15人ぐらい集まる森の中でご飯を食べていた。壁と壁の隙間が空いていて、そこに白い梯子をかけるとちょうどピッタリ収まるので購入した方がいいのではという話をしたりした。夜になり辺りが暗くなる。クマが出てきたが優しいクマだったので油断していたところ、少し離れた場

          2022/04/20

          渋谷駅で母校の制服を着た生徒たちを見る。 6年間の生活を共に過ごした見慣れたシルエットであるはずのその形は、不思議とその身体の周りにそれぞれ風を纏っているように見えた。近いうちに新しい制服に改定されるとの噂を聞いたので嬉しいような、少し寂しいような。こうやって見掛けるのも最後になるのだろうと思った。目の前でかろやかに階段を駆け降りる姿を控えめな目線で追いつつ、彼女たちのこれからの未来がどうか幸せであるように祈る。 当時のわたしだったらどうするかな、何も言わないでただ新しい

          2022/2/15

          たとえ意識していていたとしても、身体がそう動いてしまうのならば仕方がないと思う気持ちにならざるを得ない日が続く。文章は人格を剥き出しにする、日記、描くこと、見ること、触ること。 今日は図書館に本を返却し薬草の本を6冊借りた。地元の図書館はかなり大きめで、ようやくおおよその書架の配置を把握することができてきたように思う。正面を入って少し奥へと足を運ぶと作家のコーナーが設けられていて、8冊ほどがショーケースに陳列されていた。室生犀星の詩集、抒情小曲集の装丁が特に美しかった。 詩

          2021

          16時43分階段を登り改札を抜ける。ホームの奥の方に目を向けると赤いランドセルを背負った小さな背丈の小学生達が先生を取り囲んでいた。外の頬を刺すような冷たさが心地よく感じるのは外気に触れる機会がめっきり減ったからだろうか。 聴き馴染みのある声で子供たちを統制しているその人は10年前お世話になった担任だった、忙しそうにしていたし、話しかけるのも恥ずかしく、気持ちがない混ぜになりそのまま電車の到着を待つ。マスクを常につけている生活はそういう点で楽だ。 2つ隣の駅に停まると、爪の先