生まれさせられる僕ら
I was bornさ。受け身だよ。正しく言うと人間は生まれさせられるんだ。自分の意思ではないんだね
吉野弘の詩「I was born」の一節。英語を習い始めた子どもが、ある日父に言い放った言葉。
茨木のり子『詩のこころを読む』で出会った詩の1つ。
この詩を読み、自分が生まれたことについて考えてみた。
真っ先に思ったのは、「生まれさせてくれてありがとう」だった。
今でこそ大体のことに好奇心を持って手を出せるけど、なんの経験もしていない状態で未知が満ち溢れる現世に来るなんてもう、怖くて無理だったと思う。
これまでの人生を振り返っても大体のことは受け身だったし、生まれる前から生まれて18年くらいは受け身でいいんじゃないか。
家も保育園も小・中学校に行くにも自分の意思はなかったし、高校も成績で決めたし、大学も成績に沿ってなんとなーく決めた。
ほめられた態度ではないけど、何も考えずに未知に飛び込むことで経験をつめたし、飛び込むことに怖さはなくなった。
大学に入ってから急に自分で考えろと言われはじめて戸惑ったけど、怖くはなかった。難しいなとは思ったけど、臆せずいろいろ飛び込めた気がする。
まあ臆しないからといって、上手くいくわけじゃないけど。
難しいのはどうしようもない。やったことないんだから練習するしかないし。
上手くいくかどうかは未来の自分に任せる。
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