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地域おこしと本の逆襲

『黎明期』の1年を過ぎて”はちみつとフリーペーパー”から”食と本”へ。そんな風にコンセプトを広く拡大した思考の変遷について、活動2年目を紹介する前に”もう少し”説明させていただく。

回りくどいかもしれないが『場の運営』において、自分達の活動を支える『コンセプト』は言葉として全員の意識共有をはかれるなどの利点もある一方で、気づけば予想以上に制約として関係する人全ての「行動や思考を無意識に縛る事」があるからだ。だからそれを考える作業は丁寧にしすぎる位でだいたい正しく、またせっかく一度決めたとしても、ただ守るだけでなく状況の変化に対応して何回も何回も微調整を地道に繰り返す事が大切だったりする。

さて、食に関しては、はっちの運営メンバーの”はちみつ担当”の養蜂家がオープン1年目を過ぎて、滋賀県の地域起こし協力隊に採用された事ではっちの店舗運営への直接的な参加やイベント開催自体はどうしても不定期にならざるを得なくなった事。しかし一方で地域おこし協力隊としての新たな活動の中でミツバチやはちだけでなく、地域の人たちと食に関する企画に幅広く携わる事が増えたからだ。なので、その方が養蜂家自身にとっても自由度が高く、他のメンバーが養蜂家だけに頼らずとも活動できる為にも適切だと考えた。

また本に関してはと言えば”フリーペーパーのお店”を名乗る以上は日々精進。と送られてくるフリーペーパーの全てに目を通し1日1誌のペースでの紹介を毎日の習慣にしつつ、空いた時間に本屋に限らず広く様々な『本を媒体とするプロジェクト』を見学したり、フリーペーパーや出版業界の関係本を手当たり次第に乱読した事で、少子化や電子書籍などの影響で不況と言われるこの業界全体が、僕にはフリーペーパーのみに留まらない可能性溢れる魅力的な世界に見え始めていたからだ。

その視点の変化に特に大きく影響を与えた2冊は”本と人の出会い”を作る型破りなプロジェクトを次々と立ち上げている下北沢の本屋B&Bの内沼晋太郎氏の『本の逆襲』そして日本初のブックディレクターとして活躍しているBACH代表、幅允孝氏の『本の声を聴け-ブックディレクタ-幅允孝の仕事』。

お二人とも連日メディア等で活動を発信されている著名人なので、以前から名前はもちろん知っていたものの、はっちという試行錯誤を始めた事で『他人事ではなく自分事』として両氏の活動や言葉がより響くようになっていたのだ。そして実際にお話を伺ったり、手がけたお店や施設を巡って関係者から話を伺う中で、その思いは強くなっていた。

こうして『黎明期』を過ぎて、コンセプトは1年目の”はちみつとフリーペーパー”から広く”食と本”へと。その広い可能性を追い求める2年目の日々が始まる。一気に世界がばばーと広くなったワクワクと、考えるべき事が急拡大するワタワタ感(千里の道も一里から?)

場づくりメモ:コンセプトは大切に決めて柔軟に変えていく

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