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一億総ツッコミ時代

"何かにツッコミを入れようとすると同時に、誰かにツッコミを入れられないようにする。仕事の時間だけではなく、プライベートの時間まで気を張って生活し続ける。これが疲れないわけがありません。"2012年発刊の本書は、現在の閉塞感を『一億総ツッコミ時代』と感じる著者による生き方提言。

個人的にお笑いは全く知らないので、著者の『マキタスポーツ』についても当然に知らないのですが。タイトルに惹かれて手にとりました。

さて、そんな本書はエンタメ産業としての『お笑い』の地位向上、供給過多の弊害として、みんながツッコミを入れるようになった現在を『一億総ツッコミ時代』と名付けて、それが閉塞感を生み出しているとし、解決策として2つ。【他人の視線を気にせずに前に進み続ける】『ツッコミ志向』から『ボケ志向』になること。もう1つとして、客観的(メタ)にものごとを眺めるのではなく【人生を楽しむ姿勢を持つ】『メタな生き方』から『ベタな生き方』へと提案しているわけですが。

暇さえあれば【ネタ的な投稿をスマホからSNSに行うのが日常になっている】中【どこかそれにも疲れを感じて】ネットでは扱っていない紙媒体を取り扱うお店『フリーペーパー専門店』をしている立場として、また最近では【ツッコミが暴走して】コロナ禍での匿名個人による【自粛警察の横行(犯罪)】あるいは『ネット有名人』や『お騒がせユーチューバ』による【個人店舗中傷】などを招いているように私的には感じている事から、全てを『お笑い業界の影響』とするのは流石に乱暴かつ留保すべきですが、著者の言う『一億総ツッコミ時代』に関しては概ね共感する部分がありました。

また執筆当時、キャリア15年の『若手のベテラン』芸人として、ビートたけしやタモリ、明石家さんま、ダウンタウンや千原ジュニアといった(流石に私も知っている)面々に対する【お笑い解説は興味深く】本書の提言が著者いわく『カウンターの書』ほどのインパクトがあるかは別にして【誠実かつ等身大な語り口】には大いに好感を覚えました。

『お笑い好き』な人はもちろん、現在に『閉塞感を覚えている人』に、よみやすい一冊としてオススメ。

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