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菌と鉄

"ダンテは字が読めない そして首に狼のような形の痣があった 彼はみんなと違った ダンテ以外は誰も管理されることに苦痛はなかった"2021年発刊の本書はキノコに人類が支配された管理社会を舞台にしたディストピアSFコミック第一弾。

個人的には『進撃の巨人』諫山創の応援コメントが書かれた帯を見て手に取ってみました。

さて、そんな本書は脳に寄生することで思考や自由を奪うキノコ『アミガサタケ』に支配され、もし疑問を感じたものは容赦なく罰せられる管理社会。『アミガサ』という世界政府に所属する"字が読めない". ことでかえって洗脳の影響を受けなかったイレギュラーな兵士ダンテは、反抗組織『エーテル』と合流、管理社会への抵抗活動を始めるのですが。

まず、著者自身が書いているようにオーウェルの『1984』をオマージュしている【設定や冒頭の洗脳シーン】にはディストピアSF好きとしてはニヤリとしてしまうわけですが。『1984』とは違って?初々しいボーイ・ミーツ・ガール展開が早々にあって、ハッピーエンドへと順調に向かっていくのかな?と希望を感じました。

一方で、途中からカプセルを呑むことで【人体の一部を鉄に変える】という、超常の力を早々にダンテは得るのですが。【異能力バトルは少年マンガの王道】とはいえ、展開が力技、大味になってしまう作品も多いので、せっかくの管理社会に潜伏『誰が敵か味方かわからない』スリルが薄まってしまうのでは?と勝手ながら心配になってしまったり。

ディストピアSF、マンガ好きな方にオススメ。

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