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読書狂の冒険は終わらない!

"薦めベタの二人が(中略)古典的な名著とベストセラーの隙間、本屋で言うと平台でも目につく棚ではないところに、何気なく置かれている本について、語っていった気がします。"2014年発刊の本書は、ホラーに映画、挫折本に珍本・奇本にトラウマ本紹介と読書好きなら肩の力を抜いて楽しめる。

個人的にはどうしても自分だけだと【読書に偏りがうまれてしまう】事からリバランス的に、また『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズや、ビブリオ アクションシリーズ『R.O.D』といった無類の本好きな主人公たちが登場する本の作者たちは【一体どんな本を読んだりしているのだろう?】といった興味本位から本書を手にとりました。

さて、本書は映画化多数なれど割と本とは違う結末になっている事が多いモダンホラーの第一人者、スティーブ・キング話から始まり、子どもでも入りやすい江戸川乱歩、角川文庫全盛期と赤川次郎と懐かしく展開、後半は長すぎたりして挫折する月二巻ペース刊行のローダンシリーズ、仕掛け本で有名な『生者と死者』他に触れているのですが。タイトルの【『読書狂』というマニアックな響きとは良い意味で違って】居酒屋で本好きな同世代作家同士が【気持ちよく語り合っている感じ】が終始伝わってきて単純に楽しかった。

また一方で、最後の方ではそれぞれの作品裏話や本の未来について語っているのですが。執筆にあたっての資料集めの拘りや、書く事のハードル自体は下がっているからこそ【一冊目以降に何年も続けていくことの難しさ】の心情吐露。あるいはネット普及以降の盗作や間違い指摘されることで、書く行為が【さらなるワンステップを求められる気がする】などの話も、興味深かった。

著者たちの作品ファンはもちろん、著者たちと同じ40代〜50代のライトな本好きにオススメ。

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