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死なない生徒殺人事件 〜識別組子とさまよえる不死〜

"『自分が学ぶ事と相手に教える事は直結しているんです。インプットとアウトプットの無限の繰り返し。それが教育の本質であり、同時に教育の限界でもあるのだと、私は思います』"2010年初版、2019年新装版となる本書は女子校を舞台に『不死と教育』の限界を考察する『アムリタ』シリーズ第三弾。

個人的には【[映]アムリタ 新装版】から始まるシリーズを順番に最後まで読んでいこうと『舞面真面とお面の女』に次いで、手にとりました。

さて、そんな本書は【大学だけがない】幼稚園から高校までを揃えた名門女子校『私立藤凰学院』に新しく勤務することになった生物教師"伊藤"は、ある日『この学校には、永遠の命を持つ生徒がいる』という噂話があることを同僚や生徒から聞くのですが。荒唐無稽な話だと一応は【考察するも切り捨てる】彼の前に、本当に『死なない生徒』と自称する識別組子(しきべつくみこ)が現れて。。

まず、これまで読んできたシリーズでも感じたことですが。本書でも設定や登場人物たちは、良くも悪くも【どこか虚構的、アニメ的な印象】なのですが。掛け合い漫才のような会話で進んでいくので【とにかく読みやすく】一気に読み終えることが出来ました。

また本書で明かされる『永遠の命』の正体は【流石に無理があるように感じました】が。いかにも平和な学園ものといった物語に【異様な出来事、超越的な存在が突如あらわれる】本シリーズ。やはり魅力的だな。とあらためて。

[映]アムリタシリーズ三作目として、またエンタメ色の強いミステリを探す方にもオススメ。

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