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スーパーカブ1

"両親無し 友達無し 趣味無し 私には何も無い"2018年発刊の本書は、山梨県北杜市を舞台にひとりの少女が一台のホンダ・スーパーカブ50と出会い、成長していくトネ・コーケンのネット小説を原作に、蟹丹によりコミカライズされたシリーズ1作目。

⁡個人的には2021年4月から6月まで放送されたアニメ化作品の実写作品をかなり意識したカメラアングル、引き締まった色彩、抑えた演出等がとても良かったので、漫画にも手を伸ばしました。

さて、そんな本書は事故で父親を失い、母親と2人暮しをしていた没個性的な高校生の小熊が母親に突然捨てられる所から始まり、バイク屋で出会った中古のスーパーカブと出会ったことから『何でも持ってる』礼子とも『同じカブ乗り』として仲良くなり【自分の世界を少しずつ広げていく姿】が描かれているわけですが。

まず、ホンダ・スーパーカブ総生産1億台記念作品』と製造元、HONDAの全面サポートでスーパーカブ自体の【エンジン音や変速機の動作音までリアルに再現された】一方で、主人公の小熊の説明的な【独り言や感情的な表情は対象的に抑えられた】アニメ版の演出に比べて、やや表情も含めて感情的なキャラクターとして描かれている気がしましたが。これはこれで【作品世界を補完してくれるような良さ】があると感じました。

また、小説、アニメ、漫画と媒体が違ったとしても、登場人物以前に【スーパーカブ自体への思い入れの程度】によって評価や印象が変わるのは仕方がない作品だと思うのですが。スーパーカブに10年以上、営業マンとして愛着たっぷりに乗ってきた私としては『スーパーカブ+女子高生』として、本作が新たなファンを増やしてくれている。ただその事実だけでも無性に嬉しくなってしまうのです。

スーパーカブに愛着がある方はもちろん、日常的な再生物語としてもオススメ。

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