笑えるクラシック―不真面目な名曲案内
"私は、そろそろ日本人も、クラシック音楽に本来音楽が持っていたはずの笑いの精神を取り戻すべき時期に来ていると思う(中略)そのような信念のもと、本書では、笑える音楽を紹介することにした。"2007年発刊の本書は、クラシック、オペラの笑いどころを解説してくれている初心者向け一冊。
個人的には美術や文学については概ね流れがわかって楽しみ方が理解できてきたものの。それらと【同じく密接に関わっている】クラシックやオペラに対する知識が全く浅いことから本書を手にとりました。
さて、そんな本書は【実は笑える曲なのに、真面目に演奏されている名曲】として『第九』や『ボレロ』『英雄の生涯』『レニングラード』を、そして【正真正銘笑える名作オペラ】として『フィガロの結婚』や『魔笛』『こうもり』などを。そして最後に【思わず笑ってしまう名曲】として『コーヒー・カンタータ』や『猫の二重奏』などを著者の鑑賞体験や作曲者のエピソードを交えながら、込められた笑いの要素を紹介してくれているのですが。
普段あまりクラシックやオペラを聴いたり、観劇したりしていない私にとっては、本書で紹介される作品を読みながら同時にYouTubeで検索しては同時視聴していった事で、これまでは主に無知さから勝手に小難しく感じていた印象とは【また違う楽しさ】を新しく発見することが出来ました。
また、本書で作品背景の時代や社会を知る事で、こちらは少しずつですが、美術や文学はもちろん哲学や歴史との関わり合いを知るキッカケにもなり、まだまだ勉強不足とは言え【補助線の一つ】としてとても参考になりました。
笑いの視点からクラシックやオペラ作品を眺めたい方や、クラシック初心者にオススメ。
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