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世界を変える美しい本

"インドには24の公用語があります。どうやって意思疎通を図ればいいでしょう。視覚的な本なら、言葉を使わないコミュニケーションを可能にします"2017年発刊の本書は、展覧会の図録としてはもちろん『社会を変える出版社』タラブックスの軌跡を振り返るにも最適な、本好き御用達の一冊。

個人的には、全国巡回中の『世界を変える美しい本 タラブックスの挑戦』展に訪れた際に【同展の公式図録、ビジュアルブックでもある】本書を手にとったのですが。日本でも翻訳されているトレードマークと言える【手すきの紙にシルクスクリーンで印刷、手製本として丁寧に仕上げた】"ハンドメイド絵本"はもちろん、出会いの中で相手と一緒に真摯に取り組み、それ以外にも様々な種類の本を世界各国で発刊してきた事。またその過程を補完的に知る事が出来て勉強になりました。

また本書では、展示の【醍醐味は充分に掴めるものの、その全てが紹介されているわけではない】ですが。そのかわりに?巻末に同社の中心的役割を担う【ギータ・ウォルフとV・ギータのロングインタビューが6ページほど掲載されていて】2人の出会いから、インドの一部の言語では子どもは聴いて育ち【本が書かれ、読む伝統がない】事から出版社のアイデアを思いついたこと。またクライアントの提案から【偶然にハンドメイド本ができた】ことなど、出版社のみならず社会的企業の成功物語としても刺激的に楽しむことができました。

タラブックス・ファンの方はもちろん、社会的企業としての同出版社の挑戦に刺激を受けたい誰かにもオススメ。

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