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漆黒の慕情

"『絶世の美女』という言葉はあっても『絶世の美青年』という言葉はない。しかし、片山俊彦は。まさに『絶世の美青年』と言うほかない容姿をしている。"2022年発刊の本書は佐々木事務所シリーズ第2弾。都市伝説テーマのカルトホラー良作。

個人的にはカルト教団を舞台にした前作がとても面白かったので引き続き手にとりました。

さて、そんな本書はその美しさから注目されることには慣れているも、内心『ふつう』に激しいコンプレックスを抱えている片山俊彦が異様なストーカーに襲われたことから"心霊案件専門"佐々木事務所を訪れるのですが。時同じくして小学生の間で囁かれる『ハルコさん』という奇妙な怪談話も事務所に持ち込まれて。。"

と、山奥の隔離された施設を主な舞台にした前作と違って、本作は【日常的な都市を舞台にストーカーや都市伝説話が展開していく】のですが。前作と同じく章ごとに語り手が変わり、一転二転と最後までグイグイと引き込んでいく展開になっていて楽しませていただきました。

またシリーズものということで、ちゃんと前作の人物たちも再登場、それぞれの変化や異なった側面などステレオタイプではなく【人物造形に深みが与えられているのも好印象】で。漫画化はされたみたいですが、ぜひ映像化してほしい!と前作に引き続き熱望したくなりました。

オカルト、都市伝説好きな方。読みやすい良作を探す方にオススメ。

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