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おふろや

"転がるリンゴを追いかけて摩訶不思議な原っぱに来てみれば、そこは色んな動物たちが集まる、ぽっかぽかで気持ちいい、憩いのおふろやで"2008年発刊の本書は才能を高く評価されながら若くして夭折した絵本作家の遺稿を編集した圧倒的世界観の一冊。ピンポイント絵本コンペ最優秀賞受賞作。


個人的には、銭湯に最近興味がある事からタイトルに、またドーンと存在感ある表紙のクマと女の子の表情に惹かれるように手にとりました。

さて、そんな本書は流石に約20ページの絵本なので。あらすじは【不思議の国のアリス風味】とだけ簡単に述べさせていただくとして。やはり【特筆すべきは絵の迫力】リアルさというか、ホラー一歩手前の女の子の表情ですよね。。知人に【似たような髪型、表情】の方がいるので余計にかもしれませんが、子どもだと泣くんじゃないだろうか?と理不尽な世界観と合わせて?(クマも可愛くないし。。)心配になってしまいました(笑)

また、良い意味でも内容は【不思議の国のアリス風味】というべきか。大人が子ども向け、教訓的に書いた絵本。ではなく、本書からは作者が女の子【子どもと同じ目線】で書いたような【理不尽なんだけど強い説得力】があるのも事実で。ラストの浴槽に女の子が浸かる姿を眺めながら。大人になった自分にはもう見ることができない【『失われてしまった世界』を保存してくれている】のかもしれないな。とも、あらためて思ったり。

不思議の国のアリスが好きな方、存在感のある絵本を探す人にオススメ。

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