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メタバース進化論―仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界

"メタバースとは果たして何なのか。そこで我々は何者になるのか。我々はどこへ行くのか。一人の原住民として、私が本書で伝えたいことはそれだけです"2022年発刊の本書は世界最古の個人系VTuberがデータの裏付けと共におくるメタバース考察、可能性を提唱した良書。

個人的には多くの人にとっての自己表現の場として、ソーシャルVR(メタバース)に注目していることから本書を手にとりました。

さて、そんな本書は2017年から美少女アイドルとしてVR界はもちろん、歌手に作家と活動している自称・世界最古の個人系VTuber"バーチャル美少女ねむ"が旧Facebook、現Metaによって広く知られることになったメタバースについて。幅広い読者を対象に【前半は由来や歴史、定義などメタバースの基本的な解説】を。そして後半は1200人の世界中の原住民にヒアリングした『ソーシャルVR国勢調査』や自身の体験をもとに【メタバースの生活実態や文化、未来の可能性を解説】してくれているのですが。

まず、前述のとおりメタバースに興味をもってはいるも【ヘッドマウントディスプレイの購入は躊躇い、とりあえずスマホで入れるclusterをうろうろ】な初心者の私にとって、俯瞰的にメタバース界隈を解説してくれている前半は【とてもわかりやすくて】勉強になりました。

また、一方で本書でも指摘、警鐘を鳴らしていますが。NFT・ブロックチェーンとタグ付けされて"短期的な投機バブル"だったり"流行りのITバズワード"的なビジネス記事も目立つ中、著者が平野啓一郎の『分人主義』を持ち出したり、ユヴァル・ノア・ハラリの『ホモ・デウス』もとい『ホモ・メタバース』を提唱して語る後半の【メタバースの未来や可能性】は原住民としての愛情や熱量がテキストから存分に伝わってきて【心を打たれ、しびれるような読後感】でした。

ソーシャルVR(メタバース)に広く関心ある、あるいは生活や活動を考えている全ての方へ。またメタバース『文化論』としてもオススメ。

PS インタビュー記事もオススメ。

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