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世界最高の日本文学 こんなにすごい小説があった

"心の中での本との対話、それが読書ってことだ。人間が他人を誤解するように、小説を誤解してしまうこともあるだろう。でも、そう誤解するのがその人の本質。わかる、わからないは気にすることはない。"2005年発刊の本書は一気に読める古典日本文学12作に気軽な補助線をひいた一冊。

個人的には、読書会の主宰者でもある事。そして同じく古典文学好きとして好きな作品が多く紹介されていた事から興味を持ち手にとりました。

さて、そんな本書は芸術批評の研究者として、クラシックの紹介本を多数出版してきた著者が、今度は日本文学小説。中でも生活スピードの速い中でも読みきることができる【あまり長くないもの】つまり短編や、主に森鴎外や三島由紀夫、川端康成といった【誰もが知る作家たち】の作品を中心に解説というよりは雑談を聴くような気軽さで岡本かの子の『鮨』から『老妓抄』まで、12作品紹介してくれているわけですが。

まず『意図的かな?』と思ったのが、収録作のほとんど全てが【青空文庫で無料で読める作品ばかり】で、本書の紹介で気になるも未読だった作品について。ダイレクトにスマホで検索して【すぐに読み始める、読みきる事ができる】のが嬉しかったです。

一方で、自分の主宰している読書会では、自由に楽しむ前段階として、あえて。【作家や作品の文壇や文学史上での評価】について。自分自身の学びを兼ねて、割と時間をかけて資料を事前準備、共有しているのですが。

本書で著者が『楽しく小説を読むコツ』として提案しているような【つまらない(と読み始めて感じた)作品は読まない】とするような心構えも、また『一つの読書の在り方』なのかな。と読後に考えたりしました。(もちろん『正解』がそもそもある話でもないですが)

気軽に読める日本古典文学を探している人や、ビジネス本ともまた違う『小説』の面白さに触れたい人にオススメ。

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