見出し画像

小説家の作り方

"この世で一番面白い小説の種を、私の頭の小部屋から解き放ち、一冊の本としてこの世に現出させる事こそが、私という人間の生まれた意味であると確信しております。"2011年初版、2019年新装版となる本書は駆け出し小説家が遭遇する"ノベル"ミステリー、『アムリタ』シリーズ第四弾。

個人的には【[映]アムリタ 新装版】から始まるシリーズを順番に最後まで読んでいこうと『死なない生徒殺人事件』に続いて手にとりました。

さて、そんな本書はどこか著者自身を彷彿とさせる駆け出し兼業作家の物実(ものみ)のもとに初めて届いた紫依代(むらさきいよ)と名乗る人物のファンレターに返信したところ、彼女から"こね世で一番面白い小説のアイデアを閃いてしまった"が、書き留める力がない。と『小説の書き方教室』の開催を頼まれ、結局はバイトとして引き受けたことで、物語は意外な展開をみせていくのですが。

著者あとがきによると本書は"『執筆者』のお話"小説の二つの要素『書く』と『読む』について。との事ですが。担当編集者、付白詩作子(つきしれしづこ)と同じく『読む』のに偏っている私としては【本書内で誌面開催される】物見による『小説の書き方教室』自体も割と勉強になりました。

また、本書もこのシリーズお馴染みといえる【畳み掛ける後半、二度のどんでん返し】がありますが。『この世で一番の小説』というより『あの世で一番』的な【超越したパワーをもつ『小説的』存在】がラストからは紫依代によって生まれてしまいそうで。ある意味ホラーかも?とか思ったり。

[映]アムリタシリーズ四作目として、またエンタメ色の強いミステリを探す方にもオススメ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?