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1日1冊オススメ本レビュー

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ブックコーディネーターが毎日1冊、サクッと読めるオススメ本ブックレビューを公開していきます。
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2019年10月の記事一覧

"雪の静寂だと考えていた、バスの運転手のすぐ後ろ座っていたその男は。もしこれがある詩の書…

恋愛 L'amour

"愛には、接吻と、抱擁と、問題と、そして問題のどこまでも不確かな出口とがある"シュルツレア…

ロウソクの科学

"最後にあたって、若い皆さんに伝えたいのは『来るべき皆さんの時代において、ロウソクのよう…

しんがりの思想 ―反リーダーシップ論―

"もはや“引っ張ってゆく“タイプのリーダーではない。それは『右肩上がり』の時代にしか通用…

星の王子さま

"『夜、星を見てほしい。(中略)ぼくの星はたくさんの星の中に混じっている。だから、きみはど…

狭き門

"主よ、あなたが示したもうその路は狭いのです。ー二人ならんでは通れないほど狭いのです。"19…

西瓜糖の日々

"いま、こうしてわたしの生活が西瓜糖の世界で過ぎてゆくように、かっても人々は西瓜糖の世界でいろいろなことをしたのだった。あなたにそのことを話してあげよう。わたしはここにいて、あなたは遠くにいるのだから。"1964年発刊の本書はヒッピー文化のアイコンとして若者たちを熱狂させた著書による詩的幻想小説。 個人的には時として原文以上とも評された藤本数 和子訳、日本翻訳史上の"革命的事件"『アメリカの鱒釣り』についで2冊目、その【唯一無二の言語感覚】を再び楽しみたくなって本書を手に

アランフエスの麗しき日々―夏のダイアローグ

"今日は特別だよ。今日は特別な日。いまは夏で、もしかしたらこれまでなかったような夏かもし…

愛人ラマン

"十八歳でわたしは年老いた。だれでもそんなふうなのだろうか、尋ねてみたことは一度もない。"…

八十日間世界一周

"実際、もっと得るものが少なかったとしても、あなたは世界一周旅行をする気になるのではない…

若きウェルテルの悩み

"弾丸はこめてあります。十二時が打っています。ではやります。ーロッテ、ロッテ、さようなら"…

遠野物語

"この話はすべて遠野の人佐々木鏡石君より聞きたり(中略)鏡石君は話上手にはあらざれども誠実…

老人と海

"『けれど、人間は負けるように造られてはいないんだ』とかれは声に出していった。『そりゃ、…

まあだかい

"この糞じじい、まだ生きているかと云うのが今晩の摩阿陀会です。まアだかいとお聞きになるから、私はまアだだよ、とこうして出てまいったわけであります。"1993年に編集発刊された本書は、著者とかっての学生たちの交流の場、摩阿陀会の20年の様子を集めたアンソロジーとして、古き良き師弟間の繋がりが心地よくあたたかい。 個人的には、幻想的な文章と諧謔精神にすっかり著者にはまって、猫に列車と何冊も手にとってきたのですが。今回は黒澤明監督の遺作にして『まあだだよ』として映画化もされた摩