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Ben Nagaoka "pedestal&frame" #01

5月9日(木)から26日(日)までの期間、建築家 長岡勉による企画展「pedestal&frame」を開催します。

家具以上建築未満のヒューマンスケールの空間作りを得意とする長岡勉。空間系デザイン事務所POINTを主宰し、共創型クリエイティブチームVUILDのメンバーとしても活動しています。

今回、(PLACE) by methodでは、モノと空間に関する思考の実験を繰り返してきた長岡による「台座と額縁」を主題に掲げた企画展「pedestal & frame」を開催します。さまざまなスタディを経て産まれた一連の作品群が一堂に介します。

本展では、期間中4回展示替えを行います。長岡自身が構成を行うだけでなく、各回コラボレーターとしてゲストを迎えます。台座と額縁で建築(空間)を立ち上げることを命題に、空間と場の関係がどのように変化するのか、ぜひご覧ください。

作品紹介

pedestal01 piller_void (2024)
3寸角の柱材中央部をくり抜き、5分角の隅柱で支えられている構造の台座を制作。小さな柱によって内部空間が生まれる。
pedestal02 piller_solid (2024)
90角の柱材の二面を残して2等分に切断した台座。4つを組み合わせることで、柱、供台、額縁、箱、など、機能が転じて様々な役割を持つユニットになる。
pedestal03 round_void (2024)
円弧上に曲げられた薄い2枚の並行な壁。壁の手前には円弧によって柔らかく囲まれた場が生まれ、円弧の内側には空間が生まれる。5つの異なるサイズの同心円弧の壁が内部に入れ子式に収まる。

ステートメント

00 定義 二つ以上の物事の関係を更新することが建築の始まりであると仮定した上で、
ある場所に”物を置くこと”と、”境界を作ること”だけで空間の関係を新たに定義すること。
それが台座と額縁で建築(空間)を立ち上げる本展の目的である。

01 象徴と境界ー純粋な建築的存在としての台座と額縁ー
全ての建築と呼ばれるもののはじまりの状態に立ち返ると、それらはモニュメントとシェルターの2つの存在に還元される。モニュメントとは何かを象徴する存在であり、シェルターとは外的環境と内的環境の境界をつくる存在だとする。それらの建築には通常はそこを使う人の為の役割や機能が与えられている。それらの機能を剥ぎ取ってなお象徴性や境界を生み出す純粋な存在として”台座と額縁”こそが建築であるという仮定を元に本展では移動可能な多数の台座と額縁を用意し、その可能性を空間的に展開していく。


02 動かない建築と動く建築
空間とは固定化されたものでなく、動的に変容していく関係の上に成り立つものだと考えている。
建築は動かないことで、そこに流れる何百年の長い時間や、人の暮らしという短い時間を動的な要素として受け入れてきた。それに対して人が自由に動かせる建築を定義したいと考えている。何かを動かすとはエネルギーを使う行為である。大きな存在を大げさに動かすことなく、小さなエレメントを動かすだけでなお、そのエレメントから象徴性や、境界が定義され動的に変容していく空間を作ること。権威という大きな力を象徴するのでなく、日常の暮らしに紛れ込む小さな無数の象徴。そのカジュアルで開かれた存在にこそ建築の新たな可能性があると考えている。


03 ポエムー置くことー
地面の上に石を置く。その石は"地球という台座の上に置かれたものになる。
石の上に葉を置く。今度 、葉が石という台座の上に置かれたものになる。
目を凝らすと葉の上に滴が落ちている。今度は、滴が葉という台座の上に置かれたものになる。
あらゆるものは台座であり、台座でない、という無限の入れ子の中に位置づけられる。
それをわたしは宇宙と呼ぶ。  

会期中、ゲストを迎えて台座と額縁にまつわるトークをオンライン配信します。随時(PLACE) by method SNSアカウントより情報を発信いたします。

【企画展スケジュール】
5/7(火)14:00〜19:00 公開設営:VUILD PlaceLab
5/9(木)14:00〜19:00 公開展示替A :小林和人(OUTBOUND)
5/10(金) 〜12(日)12:00〜19:00 展示A会期
5/13(月)14:00〜19:00 公開展示替B:佐久間磨(Rondade)
5/14 (火) 〜 17 (金)12:00〜19:00 展示B会期
5/18(土)14:00〜19:00 公開展示替 C :長岡勉
5/19(日) 〜22(水)12:00〜19:00 展示C会期
5/23(木)14:00〜19:00 撮影のための展示替 D:Gottingham
5/24(金)〜5/26(日)12:00〜19:00 展示 D 期間

「pedestal&frame」
会期:2024年5月9日(木)〜26日(日)
時間:12:00〜19:00 
   ※公開設営、公開展示替、撮影のための展示替実施日は14:00〜19:00
休廊日:期間中なし
住所:〒150-0011 東京都渋谷区東1-3-1 カミニート#14,16
地図:http://goo.gl/maps/nzyvr
電話番号:03-6427-9296
ECサイト:https://placebymethod.com
参加作家:長岡勉
展示替:OUTBOUND 小林和人 / Rondade 佐久間磨 / POINT 長岡勉 
撮影のための展示替:Gottingham
設営:VUILD PlaceLab
台座制作:KOKKOK / neufurniture works 
塗装:丸廣意匠 
ブックデザイン制作:Rondade
主催:method Inc.

長岡勉 Ben Nagaoka 
建築家 POINT代表 東京造形大学准教授 1970年東京生まれ 慶應義塾大学政策・メディア研究科修了 2000年POINTを設立、2020年からVUILDメンバーとして活動 東京建築士会住宅建築賞入賞、JCDデザインアワード金賞他受賞多数
http://www.point-tokyo.jp


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