介助と介護

介護に関わっていると様々な場面で「介護」と「介助」という言葉を耳にする機会がありますが、この2つにはどのような違いがあるのでしょうか。一般的にはこの2つはほとんど同じ意味で用いられていますが、介護業界では少々ニュアンスが異なります。簡単に言えば、「介護」はその人を助けるための行動全般、「介助」はそのための行動のひとつです。「介護」の中に「介助」があると考えても良いでしょう。「介護」の定義として、1988年に日本社会事業学校連盟・全国社会福祉協議会施設協議会連合会により「老齢者や心身の障害者など日常生活を営む上で困難な状態にある個人を対象に、専門的な対人援助を基盤に身体的・精神的・社会的に健康な生活の確保と成長、発達を目指し、利用者が満足できる生活の自立をはかること」とされています。
つまり「介護」はとても広い意味を持っており、食事や排泄など身の回りの世話からケアプランの作成、本人や家族との相談など様々な行動が含まれるのです。対して「介助」の持つ意味は「付き添い」「介添え」「サポート」など。ケアプランに基づき、実際に利用者の食事や排泄、入浴などを助ける行動そのものを指します。要するに「介護」を実現するための手段だと言えるでしょう。また大きな違いとして、介護は「自立」を促すことを目的としていることに対し、介助はただ日常生活を助けるだけという点も挙げられます。介護に携わる者には、ただ介助するだけでなくしっかりと介護することが求められるでしょう。

「介護」
「老齢や身体上または精神上の障がいによって日常生活を営むのに支障がある方が、身体的、精神的、また社会的に自立した生活を送ることができるように、健康面や生活面での介助や援助を行うこと」です。日本で「介護」という言葉が一般的に使われるようになったのは、1970年代後半からの、障がい者に公的介護保障を求める運動が起こってからだといわれています。
その後、1980年代半ばになると、介護の派遣事業が制度化されるようになり、介護の目的そのものも、主に身体面の世話をするという捉え方から、介護を受ける方が自立して快適に暮らすことができるように、生活の質を高めることを目指すという考え方へとじょじょに変化してきました。
つまり「介護」には単に身体的な介助だけではなく、見守りや声がけなど、直接身体に触れない精神的な支援や社会的なサポートをすることも含まれているのです。

「介助」
「病気や障害を持つ方や高齢の方に付き添い、日常生活の行動を直接的に援助するという身体的な動作」という意味合いが強いようです。
日常生活動作の「介助」には以下のような内容が含まれます。
・食事
・排泄
・入浴
・移動
・着替え
・コミュニケーション
介護を受ける方がこれらの動作をできるようにするために、介護者は食事作りや生活必需品の買い物、洗濯、掃除、身の回りの世話や外出の援助などを行います。

「介護者」
このように「介護」と「介助」の違いについて考えてみると、「介護」という全体としての大枠の中に、具体的な「介助」の動作が含まれていることがわかります。
介護者は日常生活での介助行為を通じて、介護を受ける方の身体的、生活面での援助を行うだけでなく、より快適で充実した生活を送ることができるように、さまざまな相談に乗ったりアドバイスをすることもあります。そして改善点や工夫点について医師や看護師と情報を共有し、福祉と医療の連携にも取り組むという大切な役割も担っているのです。
介護者とは、介護を受ける方一人ひとりの必要に応じて時には心を支え、質の高い生き方を実現させるための助け手であるという姿勢を持って介護の仕事に取り組んでいる、介護のプロフェッショナルなのです。
高齢化社会に伴って「介護」が決して特別なものではなく身近になっている今の時代、介護福祉の分野はさらに変化し、介護者の手もますます必要とされるようになるでしょう。
介護サービスを利用する方の暮らしがより良いものになることを目指すと同時に、介護者となる方がやりがいと誇りを持って「介護」の仕事に就くことができる在り方についても考えられています。

「介護」=「病人などを介抱し看護すること」(『広辞苑』第四版より); 「病人や心身の不自由な人を介抱し看護すること」(『岩波国語辞典・第五版』より)とある。

「介助」=「そばにあって起居・動作などを助けること。また、助けとなること」(『広辞苑』第四版より); 「そばにあって助けること。助けとなること」(『岩波国語辞典・第五版』より

看護:
看護は病気や怪我を治すことが第一優先。あくまで入院している患者さんのお世話をするのが看護の役割であり、病気・怪我を治すための手助け。
仕事内容として、医師の助手や注射・点滴、病棟の見回り、患者さんのバイタルチェックなど療養のお世話が中心。採血などの治療の補助、食事やお風呂、ベッドメーキングなどの身のまわりの世話なども、引き継ぎも。

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介護保険の介助・支援 )
介助
入浴、排泄、食事など、日常生活を送るうえで基本となる動作について常に介護が必要と見込まれる状態
支援
介護を必要とする状態のその程度を少なくしたり、悪化するのを防止したりするために特に支援が必要と考えられる状態、または日常生活を送るのに困難があると見込まれる状態

年を重ねること(加齢)を理由とする病気などによって“介護が必要となった”ときに備えるもの介護保険、それ以外の理由で介護が必要になれば障がい福祉。(介護保険>障がい福祉)

サポートがなんなのかすら理解できていませんが、少しでも誰かのためになる記事を綴り続けられるよう、今後ともコツコツと頑張ります!