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日本の女性が「産まない理由」を読んで

「産まない理由の第1位、欧米『今の生活に満足しているから』、日本は・・・」

「日本の女性」が特殊だと言われており、なぜなら、欧米の女性の産まない理由が、「今の生活に満足しているから」であるのに、日本の女性が産まない理由が「子育てに自信が無い」、そして「子育てが大変そうだから」だという消極的な結果になったと。

日本女性は、子どもについてとても真面目に考えていて、母親業や仕事との両立の「合格点」をかなり高く設定しているのではないか、ということ
日本女性は、もう少し「何とかなるさ」「自分なりに母になればいい」と考えてもいいと思う。

これができない気がする。女性個人の考えの持ちようとか、そんな簡単な問題ではない。相当な、周りの環境に対する「鈍感さ」が無ければ、外に出れば向き合わないといけない「清潔」「マナー」「静寂」「雰囲気」「忖度」で溢れていて埋まる。

強い責任感とまじめさが「国民性」というのならば、なぜそういった責任感が強い人々が生まれる社会構造になっているのだろう。

これはあくまでも「感覚」であり、私はベトナムでどの様な男女雇用機会均等法や男女平等に向けた制度があるか知見は少ないが、この国では子供が活き活きしているなと思う。それは、親世代(20代~30代)も活き活きしているからであり、平均年齢31歳のこの国は、数字だけではなく実社会も活気がある。

早朝から、バイク1台に家族4人(父親、母親、子供2人)が乗り込み、出張している姿は至る所で見て、カフェでは大人たちが楽しそうに会話を続け、騒音と子供たちの笑い声が街に響き渡る。家では家政婦さんを雇い、家族同様一緒に生活をし、共働きの両親が出張で海外や国内移動の際は、子供の面倒を見る。欧米で、学生達が他の家庭の子供たちの面倒を見ながら海外生活をするオーペアの留学制度は、家庭と社会を繋げる役割を担っており、昔から家政婦さんを雇って一緒に生活しているベトナム社会と似たような感覚がある。

ベトナムでは、社内にも子供を連れてくる。長い昼休みには一度家に帰り、家族と共に食事をする。普段の雑談の中でも、20代の同僚達が、子供たちと一緒に写真を撮り、見せ合っている。男性社員は、奥さんとのツーショットを見せてきて、「彼女、美しいでしょう?」と奥さん自慢かと思いきや、「でも、自分もかっこよく写っているでしょう?」と冗談、か本気で言ってくる。なんだろう、これが普通で面白い。

日本を出て、切に思う。そもそも少子高齢化や出生率の低下を嘆いて改善を求めるより、今ある命をもっと大事にできる環境であってほしい。

私は、このような環境のベトナムでようやく「何とかなるさ」「自分なりに母になればいい」と思い始めた気がする。これは、男女平等の制度があるから、とかではない。同僚達との会話の中での感覚だ。子供たちが楽しそうに過ごしている環境だ。

もちろん、日本でも、そのような感覚で我が道を歩める人々もいる。ただ、相当な忍耐力を求められる気がする。これは、平均年齢45.9歳の社会構造だから、もはや仕方が無いと思う。「子育てが大変そう」という雰囲気は、テレビでも新聞でも、SNSでも、周りの人々からも、全て社会から生まれたものである。超高齢化社会で、高齢化した人々が作った制度のもとで育った強い責任感とまじめさが「国民性」と言われる社会では、自らが「何とかなるさ」と思える環境を見つけていくしかない。国内でもあると思うし、海外でも自分に合った場所はある。

もしかしたら、日本で「産みたくない」と思っていても、他の社会構造に入ると「産みたい」もしくは「家族の概念が変わる」こともあると思っている。

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