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浅草裏日記/食べ物が、飲み物がやばい状態に@浅草2022/10/26


浅草が…ある日突然、浅草と認知できないありさまになってしまうかもしれない。ちゃんちきちゃんちきしていても、ふと、意識の戻ったボクに、そこは浅草とは分からない、見かけの派手さとは違った、荒涼とした街になっているのかもしれない。そのとき、までボクが地上に残っている自信は皆目ないので、まぁ…気にするなと云えばそれまでのことだけれど。だが、実は、もうそうなっていて、ボクはそこに立っているのかもしれない。ずっと食べ続けてきたミートボールスパの、入っている隠元が冷凍で…それは良いんだけど…解凍が下手で、ビシャビシャで味がしなかった。オムライスは、卵の皮とライスが遊離していた。卵は薄い卵焼き…とろみが残っている卵の皮に、ケチャップライスが食い込んでいるのが、[Y]の売りなんだけど…こんなの始めて食べたよと、向かいの浅草っ子は、呆れ顔。60年通っている人だから、実は、店の誰よりも古い客、その人が諦め顔にそういうのだから…。何より再開した蟹サラダが3500円!で、缶詰の蟹は(もともとカンズメの蟹を使ったサラダ。ロシアの戦争で払底して一時中止していた)固くて臭かった。缶詰なのに臭いの?声に出さなかったけれど…手が止まったボクを見て、そばにいたマスターが、こんなのしかできないんだってさと平然と。肉も今や外国から安いのが入ってこなくて、国産のを中国人と争って買っている。良いのが手に入らないのに高いんだよ。…じゃぁ大変だねと言おうとしたら…マスタターはいつになく饒舌で「中国人の観光客は、高いのから頼むからね。来る日本人の若い観光客も金持ってるね、やっぱり高いのから食べるからね。ジャカジャカ儲かっちゃってるよ。」何か喋りの内容も様子も違う…。確かに隣の見たことない家族連れのちヤンキー顔の長男は、帽子から全身シャネルで揃っていた。日本語しゃべっていた。ふーん。帰りの道で気がついた、マスターは、観光客用に不味くて高いのにしたから来なくて良いよということをボクに伝えたんだと。老舗洋食店の名誉のために言っておくと、たくさんの客をこなすために、仕込みの手数を減らしたただけで、わざわざ不味いものを作っている訳ではないだろう。…手が間に合わないと、そのくらい客が入ると…。そう言えば、「常連さんはどんどん年取って死んでいくからね、そうそう相手できないよ。」…そうも言ってた。ボクも40年は通っている。そうかもう相手できない老人常連さんになったんだな。いついなくなるか分らない客を当てにして店やってんじゃない…そいういうことね…。まあ、来なくて良いと言われなくても、もう行かないけれどね。書くのをためらったが、ボクは[Y]を随分誉めていたし、たくさん人を連れて食べにもいった。皆にすすめたけれど、今は、取り消し。あとは自己責任でお願いします。

昔、良いのの[今]がダメ。つらいな。今なんて考えずに、街で暮らしたい。だいじょぶなところは、今も、いつも大丈夫。ちょっと?ところは、いつもちょっと?…それは肩ひじをはらず、気を楽にして遊べる街ということだ。

浅草が崩壊始まったのは、昨日今日のことではない。近々のショック事項は、喫茶店『エル』の閉店。もうエルがあったところは更地になっている。あとは『アワブス』(立て替えらしく何年か後に登場するらしい)カレーの『サウスパーク』も味と接客があかんくなった。『麺みつヰ』の閉店も痛い。ここは理由が分からない。超行列店だから。さらに、まだあるけど味が…というのは、これまた40年以上通っている、山谷の喫茶店『B』が————ダメになった。気のせいじゃないかと、こちらは何度も何度も確認に通った。気がついたのは、シダモがまずくて…蘞味と苦味の質がだめで飲めないということに出会ったことからだ。そんなの初めての体験だ。カウンターで飲んで顔を知られているので残して帰るわけにもいかない。味はいろいろな事情がむこうにもこっちにもあるから、一回で判断するのはちょっと。と、無理をしようとしたがひと口から先にすすめない。追加で、ケーキを注文し、ケーキで珈琲を流し込んだ。珈琲でケーキをというのは、概念的にあるが、ケーキで珈琲を押し込むって。いやぁ食べ物に失礼だ。これは他の店でもやったことのない、暴挙の初体験。ここで、ゲイシャに出会った頃の感動が、走馬灯のように走った。…ここはバリスタを鍛えては独立させるという修練場としての喫茶店の面もあるので、バリスタは入れ替わる。それにしても腕の良いバリスタがどんどん消えて、新人に近い人たちが主流になった。けど、シダモを入れたのは、最も古参のベテランなので、経験不足ということではない。まぁ飲み物の場合、オーナー、店長、その日のバリスタ、どんなお客が主流なのか…そんな関連の総合で、味が決まるから、なんか、もうバランスが狂ってしまっているんだろうな。日本が誇るべき[B]は、イタリアのトップバリスタが成田から直行すると云う伝説ももっていた。田口さんが積み上げてきたコーヒーに対する情熱の具合が、店に不具合になってしまったのだろうか。薄々分かってはいたけれど、自分自身が、それを受け切れず、大丈夫、ここは別格だからと、言い聞かせてきたんだろう。ここにも引導を渡された感じだ。少なくとも人に薦めることはなくなった。スペシャリティからブレンドまでけっこうだめ…ボクには美味しくない。今、自転車で行けるところで、好きなのは[蕪木]と[チョコG]。

浅草で生きているテンションが上がらない。浅草にいるのは半分は食べ物のためなので、ちょっとどうしようかと。離れる?浅草を。それも良いかもしれない。

浅草での飲食をどうするかという自分の重大問題は、ゆっくり考えるとして、この今の問題を生み出したのは、コロナやウクライナ戦争に関連しての、ロシア、中国、アメリカに対する政府の施策の問題が大きくて、たぶん大きくはそこに影響していることだ。政府は浅草にどかどか金を落とす観光客が来ればそれでOKなだけで、文化のインフラ(食とかね…いろいろ)が崩壊してもむしろその方が扱いやすいと思っている。
対策であり、戦争であり…なんだけど、ゼロコロナで経済苦しいかもと言われているので、中国を気持ちノーマークしていたけれど、なんとなく中国の不気味な経済的パワーをボディーに感ずる。プライムニュースをはじめとして、ロシア/ウクライナの戦争と経済はなんとなく知れるが、中国の軍事と経済は見えない。中国が日本に食い込んで、崩壊させていく手法は、想像もつかないし、報道もない。あるのかもしれないし、少し、相当気にしていく必要があるかもしれない。最近、美味しい店を二軒プラスしたが、中国東北料理が得意な[浅草華園]と、福建省出身の[源茶]。中国の人が主に日本にいる中国人相手に出しているご飯がめちゃくちゃ美味しい。で、日本の店は、中国人観光客目当てに、美味しくない高い料理を出している。嗚呼。中国をマークしないと。だけどそうやったら良いんだ?

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