Wespe(スズメバチ)を殺したら罰金
夏になるとぶんぶん飛んでくるWespe(スズメバチ)。ビアガーデンやレストランのテラスで食事していたら寄ってきたり、パン屋さんやケーキ屋さんのショーケースの中にびっしり大量に飛ぶWespeを見て何も買わずにそっとお店をでたり、歩いているだけなのに急に寄ってきてぶんぶんとしつこく追いかけ回された人も多いのではないでしょうか。
Wespeはスズメバチと言っても、日本にいるスズメバチよりはかなり小型なので蜜蜂だと見間違える人もいるかもしれません。蜂が近寄ってきたからと思って手で軽く追い払うと逆効果、Wespeを刺激してしまってより攻撃的になったりします。スズメバチなので何度も刺さすことができますし、強靭な顎を持っているので噛まれることもあります。
Wespeは殺しちゃダメ
出来れば絶対にお近づきになりたくないそんなWespeですが、ドイツでは自然保護法によって保護されている野生動物でむやみやたらに殺してはいけません。
連邦自然保護法の第39条 第1項 第1号
ドイツには10,000種以上のWespeがおり、およそ46%が絶滅危惧種のレッドリスト入りしています。そのため、Wespeは連邦自然保護法によって保護されており、正当な理由なく「捕まえる、怪我をさせる、殺す」ことが禁止されています。
つまり、Wespeが家の中に入ってきたからといって掃除機で吸ったりしてはいけないですし、BBQ中にWespeが寄ってきて嫌だからと言って、蜂トラップみたいな物でおびき寄せて殺すこともダメです。
家や庭にできたWespeの巣を自力で取り除いたり燻して巣からWespeを追い払ったりもしてはいけません。なぜなら、Wespeが怪我をしたり死ぬ可能性があるから。これらを破ると、最大で65,000ユーロの罰金が課せられます。Wespeさん、めちゃくちゃ法で守られているんですね。
因みに、死んだWespeは仲間を呼ぶフェロモンを出すので、Wespeを殺してしまうとより多くのWespeが来てしまう可能性もあるので気をつけて。。。
「正当な理由」になる例外は?
しかしながら、「正当な理由」があればWespeを殺しても罰金を払わずに済むことがあります。それは、Wespeに刺されたらアレルギー反応がでてしまう人です。命に関わりますからね。。。
家や庭にWespeの巣ができたら…
勝手に巣を取り除くことは出来ないので、家の中にWespeが入り込まない様にドアや窓に網を張って一夏を逃げ切ります。Wespeは一夏の虫、夏の間は巣の周りを元気な兵隊蜂がブンブンブンブンブンブンブンブン飛び回りますが、夏の終わりには死んでしまい、秋には女王蜂も冬籠で引っ越しして巣も空になります。無人(無蜂?)になった巣は安全に取り除くことができ、取り除いた巣はBio(生ゴミ)として捨てます。
Wespeも人を避けるので、無人の家屋だったり、人の出入りがある家から6m以上は離れた場所に巣をつくります。そのため、お庭に巣ができたとしても家に入り込まないようにガードすれば問題ないそうです。
けれど、巣がめちゃくちゃデカかったり、日常生活に支障がある場所に出来てしまった場合や、特に小さな子どもがいる場合は、そのままにしておくと危険なのでしかるべき場所に相談しましょう。
賃貸の場合はオーナーや管理会社へまず連絡。その他、各州の自然保護庁(Naturschutzbehörde)や消防署など、害虫駆除業車などの専門業者にお願いし、自力で巣を取り除くのは危険すぎるのでやめましょう。
Wespeを避けるには
Wespeが寄ってきたら
手で追い払ったりするとWespeを刺激してしまい逆効果。刺されないように目や鼻を手で覆ってじっとするか、歩いている時はそのままのスピードで何事もないように歩き続けましょう。おい払おうとして急に素早く動くと危険です。
Wespeが寄ってこない対策
Wespeの好きな匂いをさせない
・フルーツや肉類などのWespeの好きなものを隠す、蓋をする
・甘い匂いの香水をつけないWespeの嫌いな匂いで近づけない
・アロマオイル(ペパーミント、レモンバーム、ラベンダー、シトロネラなど)を焚く
・レモンや柑橘類にNelken(クローブ)を刺しておく
・トマト、バジル、ラベンダー、レモンバーム、セージなどの鉢を置くWespeを違うところへ誘導する
・離れたテーブルにWespeの好きそうなもの(フルーツ、甘い物、肉類)を置く
・紙袋を丸めたものをおいておく事で、すでに他のWespeの巣があるように思い込ませてその場所に巣を作るのを防ぐ
その他にも効果は怪しいけれど、コーヒーの粉を燃やしたり、セント硬貨などの銅を擦ったりして匂いを出すことで、Wespeを近づけないようにする方法もあるそう。
もしWespeに刺されたら
針を抜く:針が残ってしまった場合はすぐに針を取り除く。
毒を抜く:吸引ポンプや毒吸引器で毒を抜く(Apothekeで購入可)。もしくは、熱々のタオルを当てる(毒がタンパク質ベースのため熱で破壊できる)。
冷やす:刺された部分を冷やし、腫れを防ぐ (玉ねぎやレモン汁なども炎症を抑える効果あり)。
気道の腫れなどのアレルギー反応が出た場合は、救急車を呼ぶ。
参照
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