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国際海洋デー

海洋ときくと、未知の世界が心に広がる。
海に国境の概念はあるにはあるのだろう。当然だ。
だが、海図の読めない私なんかにしてみると、
”目に見えないもの”なのである。
土地に縛られない自由がそこにある気持ちにある。

そして、海について語るときすべてが茫洋としてくる。
その感覚を心地よく感じるのだ。

たとえば、幽霊船について、あるいは海賊について、何も知らないのである。毎年この日はそれらについて勉強する日にしようと思う。
フランス語で海賊というと、pirateだ。
○ pirate... 
 Aventurier qui court les mers pour piller les navires de commerce ou les côtes. 
 別な意味として、正規でないものを示すのにもこの言葉は使われる。(Celui qui s'empare illégalement par la force de biens d'autrui ou de personnes)いわゆる海賊版という奴だ。(いまでこそ、海賊版は許されないという感覚がコンプライアンスのおかげであるが、衣食足りて礼節をしったにすぎない、古喩にレコードをカセットテープにダビングするという行為が横行していた時代があり、バレなければいいだろう的な感覚が入り込む)

カリブの海賊のことは boucanier (= Pirate écumant, au xviiesiècle, les mers de l'Amérique et des Antilles ) という。もともとは屠殺猟をするヨーロッパ人を指す言葉である。17世紀の大航海の時代である。まさに未知の大海原にでると彼らがいたのである。コロンブスも出会ったのだろうか・・・そんな想像を掻き立てる言葉だ。澁澤龍彦がピーター・パンで思い出すのは、
海賊フックの腕時計をしたままの手を鰐が飲み込み、チクタクチクタクさせたまま海賊を追いかけるシーンらしい。ディズニーの世界の海賊は悪なのだけれども、比較的好意的に描かれている。そして舶来物の物品はタバコにしろライターにしろ何にせよ、長い航海と海賊の危険を乗り越えたものだから価値があるのかもしれない。
ちょっとカリブの海賊についての雰囲気が表現されているWikiの文章を訳出してみよう。

Remarquables chasseurs, les boucaniers étaient aussi très à l’aise sur un bateau. De constitution solide et bien nourris, ils étaient redoutables combattants. (...)
Organisés en marge de la société, les boucaniers vivaient retirés, mais non en autarcie. Ils étaient bien introduits dans le marché économique, vendant viande, cuir et tabac, tandis qu’ils s’approvisionnaient en armes, munitions, vêtements et autres. Certains d’entre eux développèrent même leur propre réseau de correspondants en Europe, avec des associés ou des parents, devenant ainsi de véritables entrepreneurs de chasse. Très solidaires entre eux, ils n’eurent jamais de chefs ni de protecteurs.
抄訳)彼らは名うての狩猟者であり、カリブの海賊は船をやすやすと操り、しっかりとした体格とたっぷりと英気が備わった手強い戦闘員でもありました。社会の周縁で生きながらも、彼らは自給自足ということではなく、肉や革製品やタバコの交易も事業としてやっていました。彼らはヨーロッパ各国に特派員と情報を交換するネットワークを開発していて、漁猟の起業家でもあったのです、構成員は互いに統率はされていますが、チーフや監視員もいません。

カリブの海賊はこんな雰囲気であるが、ハワード・パイルは、よくイラストを残している。

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ヨーロッパの海賊で最も有名なのはアマロ・ロドリゲス・フェリペだという。彼は晩年は慈善事業を起こし、悪とも戦った民衆に人気の高い人物であった。カリブの海賊とも戦ったのかもしれない。

海賊についての頭出し作業が今日の作業だったが、
大事なキーワードとして、”宝”を海のどこかに隠している可能性がある。
彼らはマレビトにほかならないが、数少ない交信の中からお宝を探し当てたいと思う。

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