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立春

立春は太陽の方を中心に考えた24節気の1つ。春節というのは旧暦(月の暦)の正月でややずれる。(一致することがあり、吉兆の年であるとされる)

陸游の漢詩がある。立春日という題だ。

江花江水每年同,春日春盘放手空。
天地无私生万物,山林有处著衰翁。
牛趋死地身无罪,梅发京华信不通。
数片飞飞犹腊雪,村邻相唤贺年豊。

ここに出てくる ”春盘”。今日では春巻と云われるものを唐の時代にはこう呼んのだ。

据晋周处《风土记》载:“元旦造五辛盘”,就是将五种辛荤的蔬菜,供人们在春日食用,故又称为“春盘”。唐时,其内容有了发展变化,《四时宝镜》称:“立春日,食芦菔、春饼、生菜,号春盘。”后春卷样式越来越精致,在元代已有关于包馅油炸的春卷记载。

立春の頃に七草ならず、”春の五草”を巻いて揚げる。
杜甫の「立春」にも、次のようにみえる。

    春日春盤細生菜、忽憶兩京梅發時
    盤出高門行白玉、菜傳纖手送青絲
    巫峽寒江那對眼、杜陵遠客不勝悲
    此身未知歸定處、呼兒覓紙一題詩

春のほろ苦さを感じる野趣溢れる味を、
陸游は”老い”とともに、杜甫は”自分の境涯”とともに新しい春を詠んだのである。
年とともに、春を純真爛漫に迎えるというのは、少なくなってくるのであろう。だが、陸游の方は泰然として世の中を見つめている感覚もなくはない。陸游の詩のほうには、牛が出てくる。”立春”を”打春”といったりもするが、立春には泥で牛を作り、固まったものを叩いて粉々にして牛小屋の中にまき、牛の繁殖やその年の豊作を祈る習慣があった。打春牛という。
春になったけれども、まだ肌寒く、梅は咲いたけれど匂いは伝わって来ない。これら背景の中で人々が豊作について大声で叫んでいる。そんな詩で、世の中の不条理の中に立ち昇る日常の力強さがみてとれる。

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代々木に山水楼という中華があり、ここの春巻きが絶品だったと舌が覚えている。いわゆる町中華の中で私が一番気に入っているお店だ。ここは揚げ物の具合が大変よく春巻きも美味しいが、ここの鶏唐揚がいままで食べた中でもピカイチである。

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<来年の宿題>
・杜甫の詩
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立春(画像はお借りしました) 節分とは、立春の前日のことを指す。恵方巻がどっから出てきたのかはさっぱりわからないが、人々が温かくなるのを待ち望んで動き始めるときである。

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