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今日は母の日

母はLatin語ではMaterである。
フランス語では maternel (母性)という単語に色濃く残る

L'amour maternel fait voir dans ces cas-là sa science presque infaillible, lorsqu'il promène, câline ou berce le poupon (Alain,Propos, 1913, p.151):

母の日がどういう日かわからないが、
完全に商業利用されていることは間違いない
あなたの母に届けるおすすめ10選
みたいな記事がある。
夏に向けて、水分補給するための見栄えの良いボトルや、
新型コロナの影響からかマスクなどの商品が挙がっている。

母と子を描いた有名なクリムトの絵がある

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いかにも maternité を崇高なものとして表現している。
クリムトの弟子にあのエゴン・シーレがいる

シーレ

バランスと一体感がある。
この絵のタイトルは<母と娘>

社会性にすぎないが 母と息子に一体感はつくれない。
母と娘の絶妙なコントラストを想像してなるほどと思った。
果たしてこの絵の背景の物語はどんなものなのであろうか・・・

シーレの実人生においては、ちょっと悲惨すぎる母と子がいる
彼の妻は、スペイン風邪の大流行で亡くなったのだ、しかも
お腹には6ヶ月の胎児がいた、この年はクリムトが2月に亡くなっている。
妻から3日後に1918年の10月に同じスペイン風邪でシーレも逝く。
(享年28歳)


Le peintre n'a pas le temps de réaliser la plupart de ses commandes : le 28 octobre 1918, sa femme, alors au sixième mois de sa grossesse, décède de la grippe espagnole, qui se répand alors dans tout Vienne et fait des millions de victimes en Europe. Egon Schiele meurt de la même maladie trois jours plus tard, le 31 octobre 1918.


クリムトが描いたような母娘の愛を
弟子のシーレが紡いでいけなかったことは
流行病の非情を恨むしかない。

そして紡がれている自分の実人生を感謝するしかないのである。

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