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パイナップルの日

語呂合わせでドール株式会社が制定。
ドール株式会社はハワイで誕生したシンガポールを本社を置く会社である。
ところで、パインナップルの主な輸入先はフィリピン。実に94%がフィリピンから輸入されたパインナップルということになる。

 米西戦争において、フィリピン独立の手助けをするとしてフィリピンに入った米国。その約束を反故にして、アギナルド独立軍に対峙し、
フィリピン駐留アメリカ軍司令官としてマッカーサー(日本を統治するマッカーサーのおじいちゃんだ。)率いる米軍と戦闘状態に入る。傍から見ると随分と暴虐無道にみえる。この戦争に猛烈に反対したのが、マーク・トゥインである。フィリピン軍に対抗するため、米国は12万人以上の軍人が必要となり比人の兵士を養成したりもした。モロの反乱など内乱の様相を呈する。その後米国は独立を認める方向に切り替え、1935年には自治政府が発足したが、この6年後に日本軍が攻めてきて首都マニラを占領。植民地総督ダグラスマッカーサーは、このときに逃亡した。優秀な軍人だったマッカーサーにとってはこれは大変な屈辱だった。マニラ奪還を心に誓い、3年後のレイテ沖海戦、続いてルソン島の戦いにおいて日本を撃破、マニラ奪還に向けて軍を進めた。このとき日本軍は敵兵かゲリラ部隊なのか区別がつかず、ほぼ無差別に殺戮をするしか手はなかった。1945年にはアメリカ軍によりマニラは完全に包囲された。

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 マニラからみると、独立を約束したはずの米軍による占領、つづいて日本軍による占領、最後は米軍による奪還と数度に渡り戦火に塗れてしまったことになる。(もっとも日本による占領は無血開城だったらしい)
 日本は焼け野原から立ち直って経済成長を遂げ世界第二位の経済大国になるが2つの国からの蹂躙後、30年の月日がマニラの血の記憶を薄らげたのか、日本に”じゃぱゆきさん”がやってくる。彼女たちは日本に夢を描いてやってくるのであるが、生活手段は結局身体を売るかせいぜい男の社交場の華になるか、到底描いた夢とは程遠い。少なくとも、建前としても、彼女たちを入国させるのにこうした仕事に従事させる目的で入国の許可は下りない。
 これには2つの事情がある。まずはフィリピンの経済事情である。フィリピンが豊かな国であれば、こうした現象はおきないであろう。フィリピン経済のもつ貧富の差がこうした現象を強く引き出す。2つめは、日本の社交場なり風俗業がそれを希求したということである。この2つの事情を利用して中国の蛇頭のようなブローカーが暗躍し利益を貪った構造もある。さらにタコ部屋、給与未払い、強制労働といった超がつくブラックな職場の形成の歴史の流れに合流する事情もある。暴力団の介入もあったりで、下層社会の状況は日本の暗部の要素がすべて凝縮されて現われる。じゃぱゆきさんは外国人でありながら、一番ディープな部分をどっぷりと味わうというおかしな構造になる。

 日本のバブル時代形成の光と影で、影に染まるものはずっと影を担う。
まるで上部構造・下部構造だ。上部構造はといえば、私なぞ政治経済の素人からみると、軍事戦略を受け継いだのが経済かのようにみえるのである。
銃や爆弾で支配する代わりに経済で支配する・・・血の記憶がどんなに陰惨であろうと、今の状況を切り抜けることに精一杯、そこにつけんだ占領。。。
 ドール株式会社は、伊藤忠商事のコングリマリット戦略の一部である。
パインナップル缶詰のパインナップルはプランテーションで栽培される。栽培の労働を担うのは、下部構造だ。加工され缶詰になり、コングリマリット戦略によって上部構造を縦横無尽に流動させる企業によって、世界中の食卓に運ばれる。そして夜の蝶のいる社交場へも・・・複雑にみえるようで、はっきりとした構造がみえてくるようだ。

 この構造を変えない限り、いくら平和に祈りを捧げようが、戦争という失敗を繰り返すだろうし、そもそもこの構造自体が悪であるように見える。おいおい整理しようと思うが、この構造を打破するのは文化しかないと思うのだ。それは酒場の文化みたいな甘っちょろいものではない。自分の欲望を満たすだけでなく人間存在の根源を問うのが文化である。裂け目をみつめることにもつながる作業がないとたどり着けない境地だ。

 ところでフランス語でパインナップルはananasだ。ジュール・ヴェルヌの「Les Cinq Cents Millions de la Bégum」に出てくる。まさに楽園を表現した文章の中にパインナップルが登場してくる。

Les plantes grasses les plus invraisemblables fleurissaient en pleine terre. Les ananas et les goyaves mûrissaient auprès des oranges. Les colibris et les oiseaux de paradis étalaient en plein air les richesses de leur plumage. Enfin, la température même était aussi tropicale que la végétation.
J. Verne, Les Cinq cents millions de la Bégum,1879, p. 109.
●Bégum ... とは、ムガル帝国(いまのインド)など南アジアでの族長の娘の敬称。
●goyaves ... グァバ
●colibri ... ハチドリ

 この小説の中で、ジュール・ヴェルヌは炭鉱の世界を描いている。そして当時の教育システムやフランスでの人種差別について批判する。そういえば、フィリピンを教育(洗脳)したのはスペインと日本である。スペインはキリスト教を伝えた(っていうか占領したのはそれが目的)日本は宗教をもっていないので洗脳は天皇の歴史になる。このある種の歪が左翼の自虐史観が入り込む根本原因なのか・・・ともかくも、フィリピン人の多くはキリスト教徒で、さらにはアメリカ統治が長いので英語堪能な人が多い。国際社会=英語なら日本人が英語を習うのは当然だが、国粋主義(右)の人がなんといおうと、もはや多勢に無勢だ。

 いずれにせよ(右だろうと左だろうと)、このことについてはまだ筆の力が及ばない。今日はフィリピンの観光地を巡って目の保養をしよう

フィリピンの観光地ではじめにあがるのが、セブ島だ。

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 ちなみにセブ島には観光地はない。この周囲にたくさんの島があり、観光スポットはそこにある。スミロン島などはその代表だ。詳しいサイトがあるので詳細はそちらで・・・

 ボラカイ島という島もフィリピン有数の島だ。
もっともこの島は1990年までバックパッカーたちの、知る人ぞ知る楽園であったが、やがて噂は知れ渡り観光客で溢れてしまった。さらには、綺麗な海も観光客が増えたことで生じる藻の被害でせっかくの海が汚染されてしまう。ゴミの被害を理由にフィリピン政権は2018年のうちの半年間を観光客の立ち入りを禁止した。
2018年さらにMayon山が噴火して多くの人が避難した。

En janvier 2018, des dizaines de milliers de personnes avaient dû être évacuées en raison d'une éruption du Mont Mayon, dans la région centrale de Bicol.

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2020年にはタール山が噴火、
コロナの状況もあり、フィリピン観光への渡航は充分な情報収集が必要だ。
今後の動向を見守ろう。

日本でたべるパインナップルは、フィリピンからという話をした。
原産国はブラジルなど南米で、ヨーロッパにはコロンブスが伝えた。
ブラジルとフィリピンは生産量は雌雄を争うのだ。

 プロヴァンス市では新たなレストランがOPENした。(→記事)南米アルゼンチンのパパガヨ料理を出すレストランだ。
地元プロヴァンスの人々に南米の雰囲気(音楽と食事の融合)を味わってもらおうとAlys You とDavide Boisserieの二人が開いた。
料理はブラジル料理。

Le couple partage l’amour de la cuisine familiale et souhaite proposer un voyage gustatif à ses clients. Vous pourrez y découvrir le plat national brésilien : la feijoada, mais aussi des planches à grignoter, des grillades, ou encore des nems au poulet, des beignets de crevettes ou de l’ananas rôti.
●feijoada ... フェイジョアーダという豆料理

 ラウンジレストランというコンセプト。音楽とともに仲間とワイワイしながら楽しむ空間だ。さらに異文化交流も盛られる。そんな魔法の場所にカップルの魂が込められている。

Nous avons repensé la décoration en y intégrant plusieurs éléments qui permettent un métissage des cultures, c’est ce qui fait notre force. Nous voulions ajouter notre âme à ce lieu magique, rempli de souvenirs 
●métissage ... 交配・混血

異国情緒に見え隠れする欧米日による経済的占領。
南国の光と影を今後とも書いていこう。

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<来年の宿題>
・ジニ係数について
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