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2色か多色か?
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2色か多色か?

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子どもの絵本はカラフルで元気いっぱいがいい!と思いがちですが、なかなかそう簡単に言い切れるものではありません。

モノクロやそれに近い表現でつくられた「名作絵本」はたくさんあります。

モノクロ絵本の名作「かさ」と「アンジュール」


中でも有名なのは「かさ」(太田 大八 / 文研出版)。

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雨の中を、女の子が赤いかさをさして、お父さんを迎えに行きます。背景はモノクロで、女の子のかさだけに色がつけられた字のない絵本です。

そうこれ、色が少ないだけでなく、字のない絵本でもあります。物語も雨の日に女の子がお父さんを迎えに行くというシンプルなもの。

そのいろんなものをそぎ落としたシンプルさゆえに、伝わるものがあるのでしょうね。


同じくモノクロで鉛筆デッサンのような犬が魅力的な、字のない絵本「アンジュール―ある犬の物語」(ガブリエル・バンザン / ブックローン出版)。こちらも名作です。

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色を抑え、洗練された表現のミッフィー


オランダ生まれのミッフィーは日本でも大人気。今年は誕生65周年なのだそう。

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ミッフィーの生みの親であるディック・ブルーナさんはもともと、単純明快な線と色が特徴的なデザイナーでした。そこで、デザインと同じように、単純で抽象化された線と限定された色づかいで生み出したキャラクターが、ミッフィーなのです。

単純な線で描かれたミッフィーですが、このキャラクターを生み出すまでに、ブルーナさんは動物園に何度も通ってスケッチを繰り返したのだそうです。

その膨大なスケッチの中から、一本の線を導き出した結果がミッフィーなのですね。

シンプルなのは線だけでなく、色も5色しか使っていません。その5色とは『ブルーナカラー』と呼ばれる赤、青、白、緑、黄色です。


どっちがいい?2色と多色


さて、ここで私の作品の話を少しだけ。

2015年頃より赤と黒で描いたイラストをInstagramに上げるようになると、フォロワー数が一気に増えました。

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それで、赤黒で絵本を描いてみることにしました。

2019年に仕上げたのがこちら。

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でも描き始めて5年以上が経過し、ちょっと飽きてきたこともあり、試しに描いたのがこちらの絵。

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このシリーズの評判も上々だったので、2年前の赤黒に色を足してみました。

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どうでしょうか?

こればっかりは「好みがある」としか言いようがありませんよね。。。


ムーミンとミッフィー、名前の不思議

話は脱線しますが。。。

私が子どもの頃には、ミッフィーは「うさこちゃん」と呼ばれていました。ミッフィーが日本に入って来た1960年代は、外国の名前は日本の子どもには難しいと考えられて、全然違う名前がつけられることが多かったんですね。

あのムーミンのガールフレンドも、昔は「ノンノン」と呼ばれていました。それがいきなり「フローレン」になった時には私はすでに成人してましたが、結構な衝撃でした。

しかし、この2つの名前について調べてみると、さらに驚きの事実がわかりました。

ミッフィーというのは、実はこのうさこちゃんの本名ではないのです。うさこちゃんがイギリスにわたってついた英国風の名前。

本国オランダでは「ナインチェ」というのだそうです。名字まであります。ナインチェ・プラウスがフルネームです。

フローレンはもっと驚きです。この子はノンノンはもちろん、実はフローレンですらない。ではなんという名前なのか?といえば、名前がないのです。

原作では「スノークのおじょうさん」と呼ばれているだけで、名前は一度も登場しないんだそうです。そもそも、ムーミンとフローレンは種族が違うって知ってました?

ムーミンは「ムーミントロール族」、フローレンは「スノーク族」。

そう、カバじゃないのです。あ、それは知ってた?

・・・ですよね。

「ノンノン」は演出家の奥さんのニックネームから、「フローレン」とは「お嬢さん」を意味するドイツ語なんだそう。


第27回え~ほん絵本原画展のお知らせ

今日から始まった展示@新宿、お近くまでお越しの際は、ぜひお立ち寄りくださいませ。

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すみません、ハガキの会場名が違ってます。正しくは「こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ」だそうです。



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絵本ユニット・Piyoko-Laboの制作風景。メンバーは写真家・宮田雄平とイラストレーター・陽菜ひよ子。文章は宮田・絵は陽菜が担当。今後は諸々実験的な試みをしていく予定。宮田雄平 https://miyatayuhei.com/ 陽菜ひよ子 https://hiyoko.tv/