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ブラタモリリスペクト|糸魚川2022

フォッサマグナミュージアム&パーク 境界

天気がいまいちはっきりしない中、友人たちとともに糸魚川を訪れた。糸魚川は、とにかく翡翠とフォッサマグナ推しの街で、今回のメインの一つもフォッサマグナミュージアムである。

フォッサマグナとは日本の地溝帯の一つで、地球のプレートのぶつかり合う場所である。北アメリカプレートとユーラシアプレートの境界となる地層がこの糸魚川で隆起しており、境界の断面を観ることができるのだ。なお、このフォッサマグナがあるおかげで、間接的にではあるが、糸魚川が世界有数の翡翠の産地となった。

さて、そんなフォッサマグナのことが学べる場所が、その名もフォッサマグナミュージアムである。フォッサマグナの解説が映像で流れ、かなり分かりやすく、日本の地層のことが語られていた。

ただフォッサマグナの名を冠している割には、展示のメインは翡翠。翡翠の種類や翡翠の出来かた、その産地などが詳しく解説されている。翡翠だけでお腹いっぱいになる。まぁ、フォッサマグナは展示のしようがないので仕方ないといえば仕方ない。

なお、フォッサマグナミュージアムの隣には、長者ケ原考古館という、付近で発掘された縄文時代の土器や遺構の展示館がある。教科書でおなじみの火焔型土器が見放題。ただ正直、見放題にされてもどうしようもない。

翡翠と土器でお腹いっぱいになったところで、実物のプレート境界を観に行く。フィールドワークたるもの、実際に観て学ぶことが大事なのだ。

雨がぱらつく中、フォッサマグナパークという名のプレート境界に到着。なるほど確かに東西で色の違う土がぶつかり合っており、ここが境界であることを証明している。

東は北アメリカ、西はヨーロッパまで、このプレートが続いていると思うと、確かに壮大。

なお、友人によると、この糸魚川には「ブラタモリ」でも先日に特集されており、たっぷりと地形のことを解説していたとのこと。確かにタモリさんが好きそうな場所だ。

そんなブラタモリの回では、この境界の目の前にある酒造に訪れていたということで、今晩のお酒を購入しに訪れる。なんとこの酒造、プレート境界線の真上に建っているようで、東側の水と西側の水の両方を使って酒造りをしているとのこと。サービスで東西の水の飲み比べもできる。どうやら、東が硬水、西が軟水のようだが。

僕の舌では判別することができない。。。

とりあえず、お酒は飲み比べセットを買った。

翡翠園・玉翠園・谷村美術館 庭園は美しい

今回の旅の目的地に糸魚川を選んだ、もう一つのメインである翡翠園、玉翠園、谷村美術館を訪れる。ここは、造園家の中根金作が作庭した場所で、有名な島根県の足立美術館の造園家でもある。

翡翠園

雨なのが少し残念ではあるが、静かで美しい庭園。背景に松林を借景にしており、敷地以上の広さを感じさせてくれる。そして、中心に巨大な翡翠があるのが特徴。

・・・ただこの翡翠、正直景観の邪魔である。翡翠推しの糸魚川では仕方ないか。

玉翠園 谷村美術館


この二つは同じエリアにあり、美術館を抜けると玉翠園に出るという構成。谷村美術館は、石の洞窟をくり抜いたような建築が特徴。中には仏像が展示されており、明るい館内を仏像が見える順番で進むという、仏の導きのような仕掛けが面白い。

玉翠園は、鑑賞式庭園で、巨大な窓ガラスから絵画のように庭園を眺めることができる。カフェが隣接しており、バタバタ茶という、この土地のお茶をいただきながら、ゆっくりと庭園鑑賞をすることができた。

このバタバタ茶を友人がいたく気に入り、お代わりをした上に、お茶菓子とともに購入していった。確かに香ばしさが心地よいものではあるが、こうしたお茶のお代わりをするのは珍しい。

庭園と美術館を堪能したところで、この日の宿である妙高へ移動。糸魚川や途中の上越は宿が少なく、温泉街である妙高まで移動する必要があったのだ。途中で食事を買い込んで、一路妙高温泉へ。

妙高温泉では、たっぷりと温泉に浸かり、酒造で買った酒比べセットでお酒をいただく。酒のツマミは、なんとなくテレビをつけたときにやっていたブラタモリ。ここにきてタモリさんとご縁を感じる。

タイミングが良すぎて、思わず夢中になる僕ら。地理歴史好きな友人は、テレビのタモリさんよりも早く、正解を言いたがるのだが。

ブラタモリはクイズ番組ではない。

林泉寺 100kmマラソン

翌朝、ブラタモリをしすぎて友人たちが一向に起きない。ブラタモリは用法用量を守るべき。

ようやく起きた友人らとともに、上越市内の林泉寺へ。林泉寺は、上杉謙信をはじめとする、上杉家の菩提寺であり、上杉謙信自身が修行した場所でもある。上杉謙信直筆の山門の扁額が残るなど、とにかく上杉謙信な寺だ。

なお、ちょうどこの日は上越市内で「えちご・くびき野100kmマラソン」なるイベント開催中で、街中いたるところがマラソン会場になっている。この林泉寺も例外ではなく、駐車場が給水ポイントとなっていた。

というより、100kmを丸一日走るとは、、、

林泉寺の隣には春日山城があるが、以前に訪れていたため、今回はスルー。代わりに麓にある春日山城跡ものがたり館という、小さい無料観光施設を訪れる。

高田城 ボリューミー

上越市内の御館公園や福島城跡という、今では影も形もなくなった城跡を見学し、最後にちゃんと影と形がある高田城へ。

高田城を観る前に、敷地内にある上越市立歴史博物館を見学。なかなかボリュームと、新しい建物でかなり満足度が高い。ローカルな歴史背景を、ブラタモリもびっくりな解説量で紹介してくる。さらには1階のカフェのアイスが大変濃厚なお味で最高。こういうところに力が入っている自治体は素晴らしい。

そしてメインの高田城。高田城は、江戸時代に入ったあと、伊達政宗によって作られた城で越後高田藩の藩庁が置かれた城である。広大な敷地に三重櫓が復元されている。

この三重櫓、あくまで天守ではなく櫓であり、珍しく石垣が無い。石垣が無い理由は諸説あるが、石垣が無いものを観ると、普通の屋敷とあまり変わらないというのが面白い。

予定的には、ここで帰る予定ではあるが、歴史博物館のボリューミーな展示内容に加え、アイスを堪能したため、完全に予定時間をオーバー。慌てて東京に急ぐも、雨による渋滞の影響で、帰りはかなり遅くなり、東京に着いたのは予定の3時間後となった。

糸魚川と上越、ほとんどタモリさんと旅をした気分

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