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岩と紙と|岐阜2015

「ケータイ国盗り合戦」という位置情報ゲームの旅。10年かけて全国600に分かれた位置情報を取得するため、東西南北を、電車・車・飛行機・フェリー・自転車・徒歩で巡りに巡った記録。

苗木城 マニアック

歴史好きな友人から、苗木城という、大変マニアックな城見学に誘われ、ホイホイついていくことに。ただホイホイはいいものの、午前4時集合という、いつもながら挑戦的な時間に合流。

車は一路中央高速道路を走り、長野県を抜け岐阜県へ。中津川市の山裾にある城が苗木城だ。ちょうど歴史資料館が開く朝9時に到着するあたり、友人の行動計画の緻密さである。

アクセスがよいとは言えない資料館は、地元の人も開館と同時に来ることはなかなか無いのだろう。開館しているのに掃除機をかけているという油断っぷりである。そんなスタッフに人たちは、開館と同時に入ってきた遠方からやってきた男子たちをみて、どう感じただろうか。

さてこの資料館、史料的には面白い。苗木藩という、最小の城持ちの藩であり、その藩主の城が苗木城とのこと。江戸時代の最初から最後まで困窮した藩で、最後には静かに財政破綻したという、いいとこ無しの藩である。

そして城跡見学へ。まだ霜が残る中、棒を杖代わりに登っていくと、やがて遺構が見られるようになる。

この苗木城、岩山に建てられた城であり、岩にへばりつくように、石垣などが修復されながら遺っている。友人曰く、この石垣も、江戸時代前のもの。江戸期のもの、最近の修復のものとがあり、それぞれに特徴があるそうだ。素人にはわからない。

美濃 紙漉き 

道の駅で昼食をすませ、美濃市へと入る。美濃は和紙が有名で、紙漉き体験ができるのだ。

美濃和紙の里会館という、観光施設で和紙の歴史などを見つつ、体験コーナーへ。

とろろあおいという、木の繊維をどろどろにしたものを簾のようものですくっていく。繊維がお互い絡み合って面になるということ。この繊維にたいしてシャワーで水を当てることで、和紙の模様が出来上がっていくらしい。なるほど、こうして見ていくと、紙の原材料が木であることがよく分かる。

そして水分が残っている間は、透明なので分かりずらいが、水分を吸い取ると真っ白い紙になり、ちゃんと厚みが出るのが面白い。

完成した和紙をお土産に、会館を後にして、隣の関市へ。関の孫六で有名な刀鍛冶の街である。ここの鍛治伝承館という施設を見学。関で作られた刀剣が展示されている。タイミングが合えば、鍛治奉納をみることもできるそうだが、タイミングが合わず、断念。

犬山 織田の源五は人ではないよ

愛知県に入り犬山市で一泊したのち、犬山城を見学。以前にも訪れたことがある城だ。犬山城は、日本で最後まで個人が所有していたという現存天守。こじんまりとしていながら、遺構がたくさん残る。

そして前回訪れたときに見学できなかった、国宝の茶室「如庵」を見学。織田信長の弟、織田有楽斎が作った茶室で、移設されたものだが実際のもの。織田有楽斎は何かと逸話のある人物で、「人ではない」と言われながらも戦国の世を図太く生き抜いた人物で、好きな武将の一人。

「うん、やっぱり織田の源五(有楽斎のこと)は人ではないな。」

園内の休憩室で抹茶と茶菓子をいただきながら、友人がつぶやくのも無理はない。

さて、犬山市内にはいろいろと観光施設がある中、もう一つ訪れたのが博物館明治村。明治の建築を全国から移設して展示している野外博物館だ。大変広い敷地に、文化財的価値のありそうな建物がたくさんあり、じっくり観るためには、一日楽しめそうだ。

映画・ドラマなどの撮影で使われることの多い場所だが、その中でも有名なのは、旧帝国ホテルのロビーだろう。帝都東京を象徴するような建物は、明治の東京を舞台にした作品では、必ずと言っていいほど登場する。

そのほか、北里研究所、夏目漱石宅など、結構ちら見ではあるものの、急いで全部を見て回る。途中、明治コスプレをできる施設があり、ここはぜひとも書生コスを楽しみたかったが、意外と時間が無かったため断念。

犬山、盛りだくさん。

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