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Virtual Reality(以下 VR)の過去から現在,そして未来について俯瞰

ついに「VRの時代」が始まり、次々に生み出される新しい技術が、社会の形を新しく作り替えようとしています。かつて、SF小説や映画で夢見てきた情報端末や表示機器が手の届く身近なコモディティになり、物理空間と情報空間を結びつける新しいIoTデバイスも次々に生まれ、これらとインターネット上の莫大な情報資産が組み合わされたことで、人と人をつなぎ、人に情報伝える様々なシステムとサービスが提供されています。
コミュニケーションとコミュニティそして社会インフラとビジネスまでが密接につながるまさに「サイバースペース」社会が到来しようとしているのです。まさにデジタルツインの社会です。

3D と VR という二つの科学技術は大きな関係性を持っています。3Dの歴史を遡って昔から見てみると、30 年毎に 3D のブームというものが起きていることが分かります。そして、その 3D のブームの後に、VR がブームとして出てくるというような流れがあることも分かります。歴史を紐解くと、3D の最初の登場は 19 世紀ですが、3D が黎明期を迎えるのは 1920 年代でした。

・3D誕生
1838年:イギリス王立協会に立体鏡として発表
・最初のStereo Viewer
1853年:アナグリフ式(anaglyph)という,左目と右目に色の違う赤と青のフィルタを付けて,赤と青で描いた視差のある画像を,それぞれの目に見せることで,3 次元の映像を生成する方式
・3D の黎明期
1920年:時分割方式の 3D映画
赤や緑の色ではなく普通の色で立体に見えるようにしたいという要望経済的に効率が良くない
・最初の3Dブーム
1950年代になりポラロイド方式,つまり偏光方式が一般的に使われる
・第2次3Dブーム
1950 年代から30年経った1980年代になり,第2次の3Dのブームが生まれる。首を傾けても 3 次元が見える円偏向方式
・VRの黎明期
10年後の1960年代、3次元の映像をコンピュータグラフィックス(CG)で創り出された。実世界にコンピュータグラフィックスの映像をVRで(まだ VR と言う言葉はない)表現して,さらに人間の動きに合わせて,映像が視線方向に合わせて見える3Dを実現した。
・最初の VR ブーム
それから,10年後の1990年代、VPL がNASAと共同で開発した有名な Eyephone というシステムデータグローブという装置と相俟って,VR 世界に自己が投射される。

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VRムーブメントのきっかけになったKickstarter
 昨今の一般消費者向けVR市場が始まるきっかけとなったのはパルマーが発明したOculus Rift。パルマーが、クラウドファンディングサイトKickstarterにPC向けのVRヘッドマウントディスプレイ「Oculus Rift」を掲載し、目標資金の10倍近い240万ドルの資金を集めたのは2012年のこと。
新たなゲーミングデバイスとして一般の消費者向けにVR体験を届けるデバイスOculus Riftは登場しました。その後、開発者キット第1弾(DK1)は300ドル、第2弾(DK2)は350ドルで販売された開発者版は合計20万台以上が出荷され、全世界の開発者が個人、企業かかわらず誰でもVRのコンテンツ開発を始めました。
Oculusは2014年3月にFacebookにより買収をされることになります。その後、2016年、VR元年と呼ばれる時代に入り、各種ハードウェアが世の中に出始めました。

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バーチャルリアリティは、まさに創造のための道具です。人間の頭の中にしかない世界を具現化する、つまり、バーチャルリアリティによって思考が実体化するのです。
新しい世紀である21世紀を迎えた現在、今まで人類が探し求めてかなわなかった数々の夢が実現しようとしています。新しい機械を使い、あるいは身にまとい、万人がそれぞれの人間の創造性と可能性を最大限に発揮しうる時代が今そこに来ようとしています!

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