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光の差さない闇の中を蠢めくモグラの如く


『歯車』読書会にて、芥川龍之介の世界を見る目は、ガラケーではなくスマホの高画質なものとして、一瞬一瞬を捉えていたのかも、との話になった。

特に色彩の捉え方に敏感だったのかと。(この作品を色を気にしながら読んだらカラフルな世界が広がる不思議な感じであった)

なのに彼は「閃輝暗転」という症状にかかる。視界が歯車⚙️で侵食されていく。

(私もそうだが、これは結構怖い体験なのです)

唯一の感覚も閉ざされて、いずれ脳内も侵されていくという恐怖に囚われていく。

歯車は、他の歯車があって役立つもの、一人で回る歯車は役には立たない。

彼は作品の中でも、「光の差さない闇もある」と書いているが、一番欲しているのは、本当は光(救いの手)なのかもしれない。

カフカに似ているが、わたしはある点でそう思いたい。

✳︎本当の真実から吐き出される言葉は、刃みたいで恐ろしい。マジに怖いと思った。下手に関わると怪我をする。

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