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#月次レポート研究所 のポッドキャスト 2022年5月 第1回・第2回のテキスト版

rennyさんが私のプロフィールをテーマにしてくださった全6回のうち、1回目と2回目の配信分をテキスト化しました。私が株式投資をはじめて最初の数年の頃を振り返っています。

ちなみに「notta」というアプリを使っています。

renny :今回から吉田さんがこれまでどんな投資やってこられたかっていう話をお尋ねしたいと思っております。吉田さんのブログのプロフィールは1998年からはじまっていて、Webの凄さを実感と書かれています。こういうお話があったのだなって、なかなかびっくりしちゃったんですけど、テレビでアニメ化されるかもしれない、っていうことだったんですよね。

吉田:そうですね。でも、その話をし始めたら番組が終わっちゃうという。。。

renny:いやでもその当時でもテレビとかマスコミで、まだそんなにインターネットのコンテンツが話題になるのは、ほとんどなかった時期ですよね?

吉田:そうですね。ブログとかもなかったし、ホームページを作るのも結構大変で、一部の人しかやってなかったですね。

renny:そうですよね。今は発信のハードルがかなり下がったというか、もうほとんどなくなってる感じですけど、当時はWebで発信っていうのは結構大変なことだったんですよね。でもこれって応募されたんですか?

吉田:いや応募はしてなくて、急にメールが届いて。

renny:そういうことがあったんだ、とプロフィールを拝見して最初に驚きました。次は2000年春っていうことで、大学生のときに、年金もらえないから株式投資を勉強しなさい、とお母さんから100万円を渡されたのをきっかけに、株式投資を始められた。株式投資そのものに世の中的にアレルギーがあるように思うんですが、素直にその株式投資を始められたのは、株式投資に対する何かの原体験を何かお持ちでしたか?

吉田:いや全くないですね。その当時ITバブルで株式投資が流行っていて、うちの母も本当は自分でやろうとして、10万円が1億円になるみたいな本を持っていて、それを読んで、へぇー凄い!と思ったぐらい。

renny:やっぱりこの当時ITバブルだったから、一攫千金を見据えたような本とかそういうお話が、すでにあったんですね。

吉田:そうですね。

renny:プロフィールをお書きになってますが、ITバブルのピークで、その時ソニーとか富士通で、ソニーは株価2万円で富士通は株価3000円で投資されて、あっという間に半分以下に、とお書きになっていますが、そういう体験されて、どんなふうにお感じになってましたか?

吉田:なんじゃこりゃ!でしたね。何で買おうかとしたかっていうと、当時の日経マネーに、目標株価ソニーは5万円、富士通は1万円で、それに長期投資すれば間違いない!みたいなことが書いてあったんです。名前を知っている会社だから買ってみたら、その後値上がりすることもなく半分になっちゃったって感じです。

renny:なるほど。その時はマネー雑誌の目標株価っていうのが、投資判断材料になったっていう感じですか?

吉田:そうですね。だからまだここから倍以上になるじゃん!みたいな。

renny:なるほど。当時のソニーって、2000年の当時ってどんな会社でしたっけ?

吉田:当時はプレステ2がヒットして、株価も上がっていた頃でしたね。

renny:富士通はITバブルのときはITっぽい会社だから注目されていたってことなんですかね?。

吉田:当時は2000年問題で注目されてましたね。

renny:なるほど。プログラムを入れ替えとか、本当にあるのかどうかわからない需要みたいなのが人気を呼んでたんですね。なるほどな。2000年当時って、もう僕自身は社会人だったんですが、ITバブルの時はもうネット証券はありましたっけ?

吉田:このときちょうどネット証券ができた頃でした。政府が金融ビッグバンだとか掲げてて。

renny:吉田さんが株式投資をされた証券会社っていうのは、対面型の証券会社だったんですか。

吉田:大和証券のインターネット版が最初だったかな。

renny:注文とかっていうのはネットを通じて発注されてたってことですか?

吉田:そうですね。

renny:この二つの会社って結局どのぐらい保有されてたんですか?

吉田:1年半ぐらいです。

renny:あっという間に半分以下になってしまったけど、保有はまあまあ1年以上継続されたっていうような感じだったんですか。

吉田:そうですね。長期で持っていれば上がるんでしょ、みたいな。

renny:その後に株価チャートやニュースに振り回される投資っていうふうにお書きになっていますが、チャートとか投資している会社のニュースとかは結構気になるものですか。

吉田:やっぱり実際に自分のお金を出すと気になるっていうところがありますね。

renny:その頃はどちらかというと株価が関心の中心にあったということで、そういう投資から抜け出すべく資格試験を使って勉強を始めると書かれてますが、やっぱりそういうことを学んだ方がいい、と感じたってことなんですね。

吉田:そうです。最初に失敗したのはちゃんと勉強しなかったからだろうと。その後やり過ぎなぐらいやっちゃって、こんな資格の試験まではしなくていいと思うんですが。

renny:でも、やり過ぎと今おっしゃいましたけれども、逆にそのこれだけはやっておかないと、そもそも投資するのは難しいんじゃないと思ったことはありますか?

吉田:やっぱり財務諸表はある程度読めないと、自分で企業を選ぶのはちょっと難しいですね。

renny:財務諸表というと損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書で、この三つで投資以外でも損益計算書に偏重してると思っていますが、吉田さんはどんなふうにお感じになってますか?

吉田:意外と大事なのは貸借対照表の注記ですね。重要な会計方針の変更のところで、今期の利益目標に合わせるために、いじっていることがあるんですよ。ゴーンさんの日産がよくやってましたよ。そういうところで信用できない会社を見極めたりしています。

renny:実際にそういうふうなのをご覧になって、やめときゃよかったな、という体験とかってあったりしましたか?

吉田:そんな怪しい会計情報を見つけて、信用売りをやってみたんですけど、怪しさに世間が気付いてくれないと株価が下がらないところがあって、うまくいかなかったです。

renny:それっていつ頃、やられてたんですか?

吉田:リーマンショックの前ぐらいの頃までかな。

renny:2001年秋頃からのところでバリュー投資が身につき始めると書かれてますが、実際このときに投資されたバリューっていうのは、収益に対して割安なのか、資産に対して割安なのか、バリューってどのあたりを着目されたバリュー投資だったんですか?

吉田:PBRではなくて、PER寄りかな。

renny:当時そういうので選んだ投資先で印象に残ってるものはありますか?

吉田:今も持ってるのはトヨタ自動車ですね。

renny:そうですか。2003年の日本株を底のときに役立った、ということで、このときはずいぶんと割安だと思われた会社に投資されたってことなんですね。この時、何社ぐらい投資されたんですか?

吉田:まだそんなにお金なかったので、五つぐらいじゃなかったかな。トヨタとかキヤノンとか、あんまり名前を聞いて、すぐに分からないような企業には投資してないので、割と有名なところですね。時価総額が大きな企業です。

renny:2002年にGoogleのことについて書かれていますね。僕もGoogleが出てきた時に驚いたというか、当時そのヤフーしか使ってなかったんですが、初めてGoogle使ったときは、これは何かすごいもの出てきたなあというふうに思ってました。吉田さんが2004年の上場時に投資することなんて考えもしなかったと書かれているのと、僕も全く同じこと思いました。この会社、投資しておけばよかったなってGoogle以外にどこかってあったりしますか。

吉田:任天堂です。任天堂は投資してたんですけど、手放しちゃったんです。Wiiの後継機が出る時に投資して、その端末は全然売れなくてコケちゃって。それで手放しちゃったんです。

renny:なるほど。そこで売っちゃったら、その後Swichが出て、コロナの時なんか、株価がえらいことになってましたもんね。

吉田:そうですね。結局手放しちゃったところから株価が5倍ぐらいになってるんじゃないかと。

renny:なるほど。個別の会社に投資されているとそういうのもあるんですね。ちょっと話を変えますが、僕は基本的に個別の会社に投資していなくて、投資信託を使ってますが、吉田さんは投資信託を使うことはありますか?

吉田:投資をはじめたての頃、さわかみファンドは少し買ったりしてました。あの当時、唯一、ちゃんと情報発信をしている投信会社だったから、レポートが読むのが面白かったんです。

renny:それってもう本当に設定されて間もない頃ですよね。もうその頃マネー誌とかに澤上さんが出てたとか、そういう時代なんですかね。

renny:次に2004年に税理士事務所で働き始めるというところで、中小企業の総務関係の効率化が身についたことが後で役に立ったっていうことをお書きになっていますね。これって後のNPOの運営のことかなぁと想像したんですが、税理士事務所で働いたことが株式投資に役に立つようなことは何かありましたか?

吉田:決算書を読むのが習慣になったっていうのはあるかもしれないですね。

renny:なるほど。読む量が増えると、効率が良くなるというか、見なきゃいけないポイントが、自分の中である程度整理されてきて、次々に見ていけるし、何かおかしなことがあったら気付く可能性が上がってくるっていう感じなんですかね?

吉田:そうでしょうね。あとは数字に全く抵抗がなくなるっていう感じですかね。会社の数字見るのが苦じゃなくなるっていうのがやっぱり一番ですかね。

renny:なるほど。たしかに投資を考えた場合に、数字を見るのが嫌だというふうになるとなかなか難しいというか、どうしても逃げられないところありますからね。僕も仕事で小さな商社を見ることが非常に多いんで、そういう意味では仕事が投資に役に立つっていうのは、そういう面なんでしょうね。

吉田:そうですね。

renny:2005年8月に今のブログ「投資を楽しむ」を始められたっていうことなんですが、羽生善治さんの「決断力」との出会いを書かれてますよね。羽生さんの考え方っていうか、羽生さんのから得たもので、投資に活かせるようなことは何かありましたか?

吉田:羽生さんから学んだことが多すぎて、一言では表せないです。いろんな人の本を読んだんですけれども、最終的には私にとっては、バフェットさんとかより羽生さんなんです。投資にあたっての心構えや考え方は羽生さんに学んだんですよ。

renny:でもあんまり羽生さんの考え方と株式投資と絡めたコンテンツは見かけないですよね。吉田さんがブログには書かれているのかもしれないですが、羽生さんの方がバフェットよりも参考になった、とおっしゃる方あんまりないような気もするんですけど。

吉田: 決算書とかを読んだりするは当たり前として、最終的には自分の心をどうコントロールするか、みたいなのが一番重要なわけで。たとえば株価の上昇局面で後から乗っかろうとしないとか、株価が暴落したときに怖がらずに投資するとか、そういう精神面で失敗することをなくしていくところで、羽生さんの勝負師としての考え方がすごく参考になりました。

renny:なるほどそうなんですね。僕も羽生さんに一度触れてみる必要があるかなって思いました。


上記の話で登場した内容の関連記事

貸借対照表の会計方針の変更と日産の話

このお話をした後に羽生善治さんの著書を読み直して書いた記事


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