投資の恩恵をどこまで得られるかは知的好奇心で決まる?
rennyさんの記事を読んでいて、少し深刻かもしれないなと感じることがひとつ。
「システム利用料」にばかり目が行ってしまう個人投資家が多いのだとしたら、それは日本人の知的好奇心の低さが背景にあるのではと。
個人的には「投資リターンは人生のオマケ」ぐらいの感覚でいいと思っている。投資を通じて学んだことをお金に変える機会はたくさんあるから。たとえば私は就職「超」氷河期の世代にあたってしまったが、株式投資のために財務・会計を学んでいたおかげで、20代半ばで税理士事務所に職を見つけて人生転落を免れた。
それは個別株投資の話だから投資信託とは違うだろうと考える方もいるかもしれない。しかし投資信託でも月次レポートをはじめとした情報発信が充実したものであれば、たくさんの学びの機会を与えてくれる。
昔、鎌倉投信がそれほど名前が知られていなかった頃、鎌倉本社でのセミナーに関心を持っている人を引率していた。その時、引率したのはNPOやCSR、監査法人関係の人たち。鎌倉投信の「結い2101」を通じて、本業にも生かせると見込まれる人たちに、ぜひ紹介したいという想いがあったから。世間でESG投資が騒がれる数年前の話なので、きっと役に立っているはず。
また最近はMBA取得を検討している人がいれば、費用対効果を考えると、農林中金バリューインベストメンツの「おおぶね」に投資して、その月次レポートで勉強した方がいいのでは?と勧めている。私も一応、約10年前にMBAを取得しているのだが、たとえば実際の事例を使ったケーススタディの授業を受けるより、おおぶねのレポートを読んだ方が勉強になると思う。
投資信託を選ぶ際に、投資リターンのみを追いかけていくと、確実に制御可能なコストの話だけに収斂してしまいがち。投資に限らず人生全体の恩恵まで考えて投資信託を選べるかどうかは、その人の知的好奇心にかかっているように思う。
そうすると知的好奇心の伸ばすにはどうすれば?という話になるのだが、うーん…と考え込んでしまう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?