名ばかりESG投信に投資してはならない!
2021年中に名称が定着したと思われる「名ばかりESG投信」。糾弾する記事が徐々に増えてきて、数年来この問題を訴えてきたので嬉しいかぎり。
ついに投資リターンの面でも、一般的なアクティブファンドに劣後するようになってきたという指摘もされている。単なるマーケティングのためだけに「ESG」という名称が付けられた投信が増えすぎたからだ。
この問題に火を付けるきっかけとなった「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド」がその象徴的存在となっている。その問題点は運用開始(2020年7月)してすぐの頃に、怒りの投稿をしているのでこちらをご確認いただきたい。
その後、2020年末に金融庁が問題視したことで、情報開示が多少は改善された。(ちなみにこの朝日新聞の記事が「名ばかり」命名の初出かもしれない)
しかし、時間の経過とともに、既存の投信にとって付けただけのESGでは成り立たないことが明らかになってきた。2つの投信の運用成績(2020年7月20日~2021年12月31日)を並べると、
ESGなしの無印の「グローバルハイクオリティ成長株式ファンド」は+34.58%
ESGを名称に含む「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド」は+25.92%
誤解してはならないのは、ESGだから投資リターンが低くなるのではない。「名ばかりESG」だからダメなのだ! 世界で投資の主流になってきたESG投資を否定しているのではない。個人投資家から販売手数料を稼ぐために作られた「名ばかりESG」投信を排除すべきなのだ!
私たち個人投資家にできることは、この手の投信に投資しないこと。表面的な情報から「なんとなくこっちの方が社会に良さそうだから」と選んでしまうと、悪しきビジネスに加担することになるのでご注意を。そう言われても判断が難しいから「とりあえずファンド名にESGが付いていたら切り捨てる」と頭に入れておけば、間違えることが少なくなるだろう。