見出し画像

#Track4 初恋なんか忘れかけた いまも

ティーンの頃に、手の届かないオトナを好きになったことはあるだろうか。

敬愛と慕情の曖昧なグラデーションに揺れ続ける心の拠り所の無さ。将来への不安と、漠然とした希望。

そういうものを詰め込んだナンバー。
冨田ラボ feat.Chemistry 「ずっと読みかけの夏」は、もう、とにかく一度PVと合わせて観てほしい。聴いてほしい。感じてほしい。私が初めてこのPVを観た時、これ以上の6分33秒間はないだろうと思った。


ちょうど今の季節に丁度いい。冷ややかな風を肌に感じるようになる、今年も夏が去ってしまう、そんなうつろいの切なさと、季節外れの海辺の寂しさ、あっという間に過ぎ去ってしまった少年時代への懐古がうまく絡み合う。

思いでは嘘をつくもの あのひとは おとな

秘密とか 乳房 胸に隠して 微笑みだけをくれる

このフレーズが、手の届きようのない隔たりを思わせ、より一層切ない。だからこそふと思い返した時に、一筋のハイライトのように、残る。6分33秒の映画のよう。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?