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財務部と経理部はなぜ仲が悪いのか 〜経理部の不満爆発〜

私は、財務部と経理部それぞれに所属経験がありますが、そのとき感じたのは「両者の仲の悪さ」です(笑)
もっと言えば、いわゆる職能部(会社の管理部の総称。具体的には財務部、経理部、審査部、総務部など)は、一般的にお互い超仲悪いです

例えば、、

経理部→財務部へのヤジ
・財務部は、銀行と飯食ってるだけ(財務部の会食の多さを揶揄)
・俺らの仕事、多くね?
・あいつら直ぐ帰る。残業しない。
・低金利で円がジャブジャブの時代の財務部にそんなに存在価値ある?
・ルールを守らない(新しい資金調達方法や、預資運用が出るたびに、財務部はルールを変更したがりがち)

一方、、、

財務部→経理部へのヤジ
・あいつらは真面目すぎ。細かすぎ。バカ話や冗談を話せない。
・あいつら残業しすぎ(経理部の決算期は超多忙)
・経理の仕事は、過去の死体解剖。(過去の数字を扱う点を揶揄)
・あいつらルールに縛られすぎ。ルールなんて変えればいい。

就活生にとっては、経理部?財務部?何が違うの?ディズニーのキャラで言うとチップとデールくらいの違いじゃないの?と思われるかもしれませんが、実際は両者で職務内容や文化、発想が全く異なります。そして、一般的には、仲が悪いです。

この仲の悪さを掘り下げると、以下の原因があると筆者は分析しています。

1 仕事が違いすぎて、お互い何をしているのかわからない
 →結果、お互い仲が悪くなる。

例えば、財務部の仕事は一言で言うと会社が必要な資金を調達することです。一方、経理部は財務諸表作成、開示等の決算業務がメインとなります。
要は、実は両者で全然やっていることが違うと言うことです。
結果、「あいつら、よくわかんねー」状態になるのです。
また、専門性がそれぞれにあるため、自分たちのアイデンティティやプライドが自然と醸成されてしまう傾向にあります。

2 業務負荷、責任は違うのに、給料がそんなに変わらない
 →結果、お互い不満が溜まる。(特に経理部)

営業部は、定量目標があり、業績を残した分だけ給料やボーナスが上がるのが一般的です。しかし、職能組織は基本的に定量目標はないため、どんなに頑張っても給料はそこまで変動しません。(安定しているとも言えますが)また、職務に対する成果が計りづらいため、職能部同士の給料もそこまで差が出ません。
一方で、責任や業務量には、職能部の間でもかなりの違いがあったりします。例えば、決算期の経理部はどの会社でも多忙を極めます。決算期以外も、営業部からの経理処理の相談や各種プロジェクト推進に巻き込まれたりしてそれなりに忙しいです。それに比べれば、財務部は残業がそこまで多くならないのが一般的ですし、夜は夜で金融機関との会食も多いです。会食のために財務部員が定時で業務を切り上げるのを目撃したりした経理部員が「あいつらは・・」となってしまうのです。(会食も仕事なんですけどね)

3 グレーゾーンの業務が経理部に行きがち
 →結果、経理部の不満爆発

職能部は、基本的にはその専門分野に特化した仕事をします。例えば、審査部は与信審査業務、財務部は資金調達業務、人事部は採用、人事管理業務です。
一方で、経理部はというと、ルーティーンとなる経理処理業務、決算業務をコアとしながらも、多種多様な業務に巻き込まれます

例えば、営業部や職能部が何か新しい取り組みを始めようとする時、経理部は初期段階から参画させられ、あれこれ最適スキームを検討させられたりします。これが結構大変で、経理処理や税務処理を踏まえてスキームがコロコロと変わることが多々あります。私はしょっちゅう「なんでもいいから先にスキームを決めてくれ〜」と心の中で叫んでいました。

その後も、プロジェクトの進捗管理ですとか、係数管理、定量効果の把握、マネジメントへの報告等、数字が絡むグレーゾーンの業務が全て経理部に行きがちなイメージです。

「数字が絡むから経理がやった方がいいよね♩」
「経理部がやる方が効率的だよね♩」

こんなセリフを何度聞いたことか。。。

仲の悪さを解消するためには何が大事でしょうか。

筆者として考えるソリューションは、各職能組織と経理部との人の派遣を伴う人材交流及び各職能組織の部員の経理知識の習得です。
汎用性のある経理知識は、ビジネスする上でのコアスキルです。それを各部員が習得することは、業務の円滑化に寄与しますし、お互いを知ることできっと仲良く業務を遂行できるようになります。
また、一度経理部を経験すれば、「経理って大変だな」と身にしみてわかってくれるので、経理部に対して冷たい態度を取らないようになると思います。

あまりオチのない記事になってしまいましたが、経理の知識を他の職能部が身につけることで、会社がよりよく円滑に業務を遂行できるようになるのでは?と筆者は結構真面目に考えています。



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