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ChatGPTに詩を読ませてみた 1

 

はじめに

 何かと話題に事欠かないChatGPTですが、最近、自分の書いた詩の感想を書かせたらどうなるだろうと思って試してみたのでその結果をレポートします。
 過去の試みに見る様に、ChatGPT 3.5(無料版)は、作詩作歌に関しては現段階ではイマイチとしか言い様がない出来でしたが、それでは既存の作品の感想を述べる、という点ではどうなのか、世間で言われる様に子どもの読書感想文の代筆が務まる程の完成度なのか、前々から興味はありました。
 それでは、どんな事が起きたのか、順に紹介していきます。よろしかったらお付き合いください。

実行条件

 以下、ChatGPTへの入力は、
 ①「以下の詩の感想を書いてください」で、これにより出力は日本語になります。
 ②1行開けて、次の行から詩を丸ごと入力し、送信ボタンを押して処理開始です。
 ③ChatGPTからの返事は行頭の●以下になります。
 ④この後Regenerateボタンをクリックして二回、別回答を出してもらいました。
 ※結果、3つの出力を得ますが、大きな変化は認められず、。
 ※以上を拙作の詩について実行しました。
  1.風の見たもの より 序
  2.叙事詩「タロットラプソディ」 より 総序
  3.Who is happy this year? 2024 丸ごと
  4.The Mindtraveller より Prologue
  5.Discrimination 丸ごと
 上記5点ありますが、ひとつひとつは長く、最後に「あとがき」も添えるので、合わせて六回に分けて連載する形にします。今回は1の「詩学のすすめ より 総序」の感想文になります。本編は口語今様体(七五調)で書かれています。
 詩の引用を先頭に置き、一回目、二回目、三回目と題してそれぞれの出力結果を貼り付けています。
 全般的な特徴として、大半は感想というよりも各作品が何について書いているのかを解析した分析結果、あるいは要約的な内容が大半を占め、時々感想が混じる、という構成で、筆者が「これは感想だ」と思った部分は太字にしてみました。

風の見たもの noteバージョン

風の見たもの より 序
今は昔の平安朝、人気は既に二百年。
当代一の音楽を、人々は呼ぶ、今様(いまよう)と。
和歌を嗜む宮廷人。今様歌う一般人。
雅に対して世俗ネタ。なんでもありの流行歌。
時代は昭和十五年。今様、なおも生きていて
叙事詩の邦訳する時に、七五2つで一行を
作った晩翠(ばんすい)、名調子。
更に経つこと数十年、これに習って詩を作る。
風をお題に今様の、文体で編む七五調。
気の向くままに書き綴り、詩集と称して織り上げた。

詩集 風の見たもの

一回目

●この詩は、日本の文化と歴史に焦点を当てながら、詩の形とその進化について語っています。まず、平安時代の今様と呼ばれる音楽形式からスタートし、時代を昭和十五年へと飛躍させます。そこで、叙事詩の邦訳において七五調を使用したことで、詩のリズムや構造がどのように形成されたかを示しています。

次に、この詩は時間の経過とともに伝統と現代の結びつきを示しています。晩翠による七五調の詩作の後、数十年後の現代において、そのリズムを使って詩を作ることが続けられています。こうして、古代から現代にかけて、伝統的な形式が新たな文脈で息づいていることを描いています。

この詩の中で、「今様」という言葉が象徴的に使われており、時代を超えて変化しつつも、基本的なリズムや形式が継承されていることを示しています。また、詩の最後に登場する「詩集と称して織り上げた」というフレーズは、詩作の創意工夫と楽しさを感じさせます

全体として、この詩は日本の伝統文化とその進化に対する愛情と理解を示しており、七五調という形式を通じて時代を超えた連続性を強調しています。また、文体の軽やかさとリズミカルな言葉の選び方は、詩作における自由な表現と遊び心を感じさせます

二回目

●この詩は、平安朝から昭和時代までの日本の文化や詩歌の変遷を綴っていますね。まず、平安朝の時代に人々が楽しんだ音楽や歌として「今様」が紹介され、その後、宮廷文化と一般の人々の楽しみ方の違い、雅と俗の対比が描かれています。そして、時代が昭和に移り変わりながらも「今様」は生き続け、文学の翻訳や新たな詩の形式として取り入れられていることが示唆されています。

詩人が晩翠という名前で詩を作り、それが数十年後に風を題材にした今様の詩集として編まれる。この詩は、風景や自然をテーマに、自由な文体で綴られた一連の詩であることがうかがえます。

この詩は、日本の歴史や文学、詩の進化をたどる興味深い作品であり、現代においても古典の影響が色濃く残ることを示唆しています。

三回目

●この詩は、歴史と詩の形式に焦点を当てた内容で、異なる時代の詩の伝統と、それらがどのように進化していったかを描いています。詩の中で、平安時代から昭和、そして現代までの音楽や詩の形を繋ぐ「今様」という概念が強調されています。

平安時代の今様は、宮廷人と一般人の間で異なる意味を持ち、雅と世俗という対比を生み出しています。また、詩の中で昭和十五年に登場する晩翠という名前は、おそらく詩人・土井晩翠を指しており、彼の詩作における七五調の影響を示しています

詩の構成も七五調のリズムを持ち、これは日本の伝統的な詩の形式であり、言葉の調子やリズム感を強調しています。また、詩は時間の流れと共に、様々な詩の形式や表現方法が混在し、現代まで続いていることを示唆しています。

この詩は、伝統と現代性の交差点を探りながら、時代を超えた詩の連続性を描いています。異なる時代の詩の形式を織り交ぜながら、自分自身の詩作を通じて新しいものを創り出すという創造性と自由を感じさせます。この詩は、詩の進化や多様性を理解し、さらなる創造への意欲を刺激する作品だと感じました

総評

 三回目が最も感想らしいと思いました。また、土井晩翠さんについて正しく言及しているのも三回目だけです。これに比べると、二回目は最後の段落で「興味深い」と述べている以外は何について書いているかを解説するだけで終わっており、一回目は後半になってから行末に「感じました」という文句を入れている箇所がある分、感想文らしくはなっていますが前の方は本文の要約的内容になっています。
 詩の本文の解釈についてはさほど問題はありませんでしたが二回目は土井晩翠さんの事を誤解した仮説を立てて結論を出していた点はマイナスでした。
 現代語とはいえ、純然たる七五調の韻文を、ほぼ作者の意図通りに解釈してみせた性能は評価に値すると思います。作者としては、自分が書いた定型詩がどう解釈されるかを知るひとつの手段として今後も試してみる価値はあると感じています。
 では、パート2に続きます。